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コロナ禍で多大な影響を受けている子どもたちの今と未来を守りたい。
特定非営利活動法人Learning for All
私たちは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でより困窮している生活困窮世帯が「本当に必要としているもの」は何なのかを把握するために、72世帯を対象にアンケート調査を実施しました。
そのアンケート結果から明らかになった、子どもたち・保護者様が今必要としている支援を届けるため、「新型コロナ緊急支援プロジェクト by Learning for All 」を発足し、支援を開始しています。
具体的には、生活物資支給、保護者の相談支援、オンライン・オフライン支援、全国学習支援団体へのノウハウ発信の4つです。
この状況でさらなる「貧困の連鎖」を生まないために、そして一人でも多くの子どもたちが笑顔で楽しく過ごせるよう、皆様のお力を貸してください。
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
保護者様の声から、仕事の減少によって収入が減少していること、食費・生活物資が不足していること、情報不足によって孤立していること、精神的ストレスがあるという現状が明らかになりました。
私たちは、これらの子どもと保護者様の現状が、次の3つの子どもの課題につながっていると考えています。
①学習機会の喪失・教育格差の拡大
タブレットやパソコンがなく、オンライン学習を行うには不十分な環境であり、子どもの学習機会が喪失されています。そして家庭の学習環境の差によって、教育格差がより一層拡大していくと考えています。また、Learning for All が支援している子どもたちの中には1学年以上の学習遅滞、日本語に難を感じている子、発達障害のある子どもが多いため、学校の課題を一人で進めるのが難しい状況にあり、一層学力格差が拡大してしまうと考えています。
②生育環境の悪化
昼夜逆転している子どもが多く生活リズムが乱れていること、保護者様の仕事の変化、それに伴う収入の減少によって食費・生活物資が不足していることから、子どもの生育環境が悪化していると考えています。
Learning for All が支援している子どもたちの中には、歯磨きの仕方がわからなかった子ども、何日間も同じ洋服を着ている子どもなど、様々な事情から家庭で安心して育つことができない子どもがいます。コロナウイルスの感染拡大に伴い、オフラインの支援を行うことが困難になったため、そのような子どもの生育環境がより一層悪化してしまうと考えています。※オフライン支援=支援拠点での対面支援
③子どもの心身への多大な影響
食費不足から食事がまともに食べられていないこと、保護者様の精神的不安の増加によって子どもへの虐待が増加する危険があり、子どもの生存の危機という問題があると考えています。実際にコロナの影響を受けて、Learning for All の居場所支援に通っている小学校低学年の子どもが、病院で治療を受けるほどの虐待を保護者様から受けた事例があります。
※その後、無事に子どもの怪我は治っています。また、関係機関と連携し、保護者様の負担軽減のサポートなどを行なっていますが、今後も関係者連携会議を実施するなど、子どもと保護者様の支援を続けてまいります。
新型コロナ緊急支援プロジェクト by Learning for All
2月末の突然の学校休校、そして緊急事態宣言とその延長による学校休校の延長により、子どもたちの置かれる状況は一変しました。給食がなくなった影響で十分な食事を取れない子ども、学校という学びの機会を失い学びたくても学べない子ども、虐待などの影響で家に居づらいにも関わらず家に居なくてはいけない子ども。Learning for All は関わる子どもたちの声を聴き、そうした多くのニーズをキャッチしてきました。
子どもたちにとって、学びや育ちの環境が失われることは、短期的には健全な発達を阻害し、教育格差をさらに拡大させていきます。そして、そうした格差は、今この瞬間にも開き続けています。それは、将来の子どもたちの可能性を少しずつ狭めていきます。今この瞬間から、一人ひとりの子どもたちの学びと育ちの環境を支えることが重要です。また同時に、保護者様の置かれる環境も深刻です。学校がなくなり、食費や光熱費など日々の出費も増える中、仕事と育児の両立はさらに難しくなり、大きなストレスを抱えています。
子どもや保護者を支えるライフラインにも黄色信号が灯り始め事態は一刻を争います。子どものみならず、保護者様含めた家庭丸ごとの支援が求められており、それこそが子どもたちの今と未来を守ることに繋がります。そして、こうした課題は全国共通の課題であり、全国の支援団体も取り組みを始めています。そうした全国の団体にLearning for All のノウハウを提供することで、ひとりでも多くの子どもたちに今必要な支援を届けたいと考えています。
なお、緊急事態宣言が解除され、学校が再開していく流れが出てきています。しかしながら、宣言解除や学校再開によってすぐに子どもや保護者様の置かれる状況が好転する訳ではありません。学校の再開も3密を避けるため部分的な再開に留まる見通しですし、感染の第2波・第3波も確実に発生すると言われています。保護者様の置かれる環境も、今後予想される日本経済の冷え込みとともにさらに悪化する可能性もあり、先々を見据えた支援が必要です。
Learning for All では、そうした予測のもと、5月〜12月の8ヶ月間を新型コロナ緊急支援プロジェクトの実行期間と設定しています。期間中、感染拡大状況の変化や日本社会の変化に伴い、子どもや保護者様の置かれる状況も変化していくことが予想されますが、Learning for All では常に子どもや保護者様の声に寄り添いながら柔軟な支援を実施していきたいと考えています。
アプローチの方法
①生活物資支給
食材・マスク・アルコール消毒など、物資が入らない状態が続いている家庭に最低月1回生活必需品を支給します。
②保護者の相談支援
虐待や自死等の予防策として、保護者様の精神的負担を軽減するため専門家の監修を受けながら個別相談支援(就職・子育て・制度利用方法等の相談含む)を実施します。また、オープンな質問箱の用意と、最低月2回の情報発信を行います。
※オンライン支援=PC等を使っての支援、オフライン支援=支援拠点での対面支援
③オンライン・オフライン支援
学習の遅れが大きくみられる子ども・不登校の子どもへの週3回のオンライン授業の提供、保護者様の都合(医療関係者等)で預かる必要のある子どもたちに対しての週2回のオフライン居場所支援を実施します。現在既に、タブレットの配布と家庭でのオンライン環境整備を経て、家にいる子どもたちと遊んだり、勉強を教えたりと接する機会を設けています。
オンライン学習支援ではLearning for All の通常運営方法と変わらず子ども一人一人にあったカリキュラム教材を使用し、オンラインでホワイトボードや画面共有を使用しながら指導をしています。オンライン居場所支援では、作り方を画面で共有しながらピザ作りをしたり、だるまさんがころんだを実施するなど、コロナの状況下でも、子どもが他者と関わる機会を持てるようにしています。
また、オンライン学習支援でも継続して質の高い支援を子どもたちに届けるためには、通常のオフライン学習支援と比べ、より多くの労力、配慮が必要です。 例えば、教師と生徒の1対1の自宅からのオンライン支援は、通常よりも閉鎖的な環境になるため、より生徒に対する配慮が必要となります。このため、1対1の支援にはせず教師側を複数にしています。
オンライン上では子どもの手元や些細な表情の変化等が見えづらいため、子どもの理解度を確認し、子ども1人1人の理解度に合わせて授業をすることが通常よりも難しいです。子ども側を複数人にすると、その難易度はより高く、質の低い支援になってしまうため、教師複数人対子ども1人という形式で、対面よりも時間をかけて支援をしています。
手元に教材やオンライン学習環境がなく、郵送等が必要な世帯に対してタブレット配布を含めた環境整備の準備・郵送を行なっています。
④全国学習支援団体へのノウハウ発信
大きな環境変化により支援の対応に困っている約10団体のNPOに、オンライン・オフライン学習支援のノウハウを提供します。
代表メッセージ
新型コロナウイルスは、平時の社会課題をより一層浮き彫りにしました。学校休校により、全ての子どもたちの学びや育ちの環境が脅かされ、悪影響を受けています。しかしながら、その中で特に困難のある子どもたちにはさらなる困難を与えています。タブレットやPC、Wifiのある・なしは、オンラインでの学習機会のある・なしに直結し、教育格差をさらに拡大しています。家庭の経済格差は、子どもたちの食事や健康に、そして学校以外の民間の教育機会を得られるかに影響を与えています。困難家庭の虐待リスクは上がり、子どもたちの生活は脅かされています。困難のある子どもや家庭は、より困難を抱えていく。こうした困難の掛け算をどこかで止めなければ、子どもたちが将来的に被る影響は、これまで以上に深刻なものになるでしょう。そのため、Learning for All は今だからこそ子どもたちをサポートしていく必要があると考えています。
ひとりでも多くの子どもたちに支援の手が届くよう、Learning for All は子どもの声を聴きながら支援を続けていきたいと考えています。そのためには、多くの方々のご支援が必要です。今この瞬間も、子どもたちの置かれる環境は厳しくなっています。そして、子どもたちに将来にわたる悪影響を与えています。有事だから困難を抱える子どもを見捨てていいのか、私はそうは思いません。こうした状況だからこそ、最も厳しい状態にある子どもたちに手を差し伸べる社会でありたいと思います。ご支援をいただけますよう、どうぞよろしくお願いします。
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アクションリーダー プロフィール
- 李炯植
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1990年、兵庫県生まれ。東京大学卒業。2014年に特定非営利活動法人Learning for All を設立、同法人代表理事に就任。これまでにのべ8,000人以上の困難を抱えた子どもへの無償の学習支援や居場所支援を行っている。「全国子どもの貧困・教育支援団体協議会」理事。2018年「Forbes JAPAN 30 under 30」に選出。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 特定非営利活動法人Learning for All
応援メッセージ
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コロナの影響をすごく受けているので、この取り組みはとても助かります!
2022.07.06
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頑張ってください
2023.09.22
-
頑張れ
2024.05.18
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応援してますよ
2024.06.12
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がんばってください
2024.07.05
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