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アフターコロナ時代を見据え、障害福祉サービスの「完全オンライン化」に挑戦する。
株式会社Kaien
実行中
更新日:2020.05.29
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
最も難しい障害と言われた発達障害
起業から9年。これまで職業訓練のプログラムに入った発達障害者の、実に8割以上が就職しました。登録者はまもなく7,000人。この9年間で大人だけでなく大学生・専門学校生や小中高生までサービスを広げており、定期的に1,000人以上の人が利用しています。
発達障害の持つ力に着目し、十人単位で発達障害の雇用を続けている企業も複数あります。本当に嬉しい限りです。ただ私たちの力不足で、就職に繋げられる能力を持つ多くの人をまだ支援しきれていません。本音ではこの10倍ぐらい就職し活躍できても良いと思っています。まだ世の中に発達障害の人の才能を伝えきれておらず、毎日毎日、自分たちの不甲斐なさに苛立っています。
一方で「最も難しい障害」と言われた発達障害への支援状況を知る福祉関係者からすると、Kaienの就職成功率は驚異的な数字のようです。発達障害は一人ひとり特性が広すぎ、画一的な方法論が通用しないと多くの福祉の人から思われていたからです。実際事業を始める前に発達障害の研究者や、ハローワークなど既存の就労支援の職員などから「絶対無理」と言われていました。
業界の常識を変える
そうした当時の常識を覆し、ある程度画一化したプログラムの中で各人の力を見極め、弱みを見えづらくし強みを浮き立たせることに取り組んだのが当社Kaienです。今でも発達障害×仕事×強みの視点から社会への切込みを続けています。
アプローチの方法
4つの事業
1. 就労支援事業:大人向け就労移行支援事業・就労定着支援事業(Kaien)、大学生向け就職支援事業(ガクプロ)
2. 人材紹介事業:発達障害の方向け転職サイト(マイナーリーグ)運営、人事コンサルティング事業
3. 教育事業:放課後デイサービス事業(TEENS)
4. 啓発事業:発達障害の可能性や魅力を広く社会に伝える講演/研修・研究/出版等
「完全オンライン化」の取り組み
▼就労移行支援・生活訓練(利用者 約200人)
・早起き・運動チャレンジ
朝会(一斉ウェブ配信)で起床時間と運動量の投票を日々行いポイント化。利用拠点単位で競いながら、生活リズムや心身のバランスを保つ取り組みです。
・職業訓練のオンライン化
普段は事業所で行っている「事務体験」に加えて、「在宅ワーク体験」の新プログラムも提供。プログラミングやITパスポートなどスキルアップの特別講座も行うほか、フリーランスや独立のためのビジネスプランコンテストも今月開催予定です。
・就活支援 ウェブ説明会
Zoomなどを活用して、個別相談を普段よりも頻度を上げて行っているほか、趣旨にご賛同いただいた企業様に「ウェブ説明会」を開催してもらっています。在宅にいながら、企業の人事担当者の説明を聞いたり、採用活動を行うなどしています。
▼ガクプロ (利用者 約200人)
・オンラインセッション使い放題
大学や専門学校がスタートせず、普段の生活リズムが崩れたり、就活準備が滞ってしまっている学生が多く見られます。そのため、平日日中・夕方・週末の3種類のセッションを、全利用者に使い放題で開放中。特に夕方は利用者の数十%が常にログインする人気講座となっています。(就活支援、職業訓練、ライフスキル・ビジネススキル講座、雑談コーナーなどが内容です)
▲Kaienが大学生向けに提供する「ガクプロ」のオンライン講座の様子。利用率はオンライン化以前よりも数十%上昇しており、新規利用や企業への就職も着実に増えているという。
▼就労定着支援(利用者 約150人+)
・雇用維持に向けて
修了生のうち多くの人が在宅ワークとなっている上、雇用継続の不安を感じている方も多くいます。このため、個別相談も平日だけではなく週末もオンラインで相談に応じて、今後の対策をアドバイスしています。
・ストレス発散のオンライン飲み会
サロンといわれる隔月の飲み会。修了した事業所で毎回数十人が集まるイベントでしたがこちらもオンライン化を果たしています。金曜夜に毎週開催中です。
▼放課後等デイサービス TEENS (利用者 約600人)
小中高生向けのプログラムも、すべてオンラインでのセッションになっています。勉強をサポートする平日のセッションに加えて、週末は「子ども版 在宅ワーク」のお仕事体験を行っています。
アクションリーダー プロフィール
- 鈴木慶太
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長男の診断を機に発達障害に特化した就労支援企業Kaienを2009年に起業。これまで1,000人以上の発達障害の方の就労支援に現場で携わる。日本精神神経学会・日本LD学会等へ登壇や『月刊精神科』、『臨床心理学』、『労働の科学』等の専門誌への寄稿多数。文科省の第1・2回障害のある学生の修学支援に関する検討会委員。著書に『親子で理解する発達障害 進学・就労準備のススメ』(河出書房新社)、『発達障害の子のためのハローワーク』(合同出版)、『知ってラクになる! 発達障害の悩みにこたえる本』(大和書房)。元NHKアナウンサー、東京大学経済学部 2000年卒・ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院 2009年修了(MBA) 。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 株式会社Kaien
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