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「循環する通貨」 ― 持続可能なベーシックインカム ―

株式会社湧志創造

アイディア段階

更新日:2020.05.12

経済格差拡大を抑制し、若者の貧困、子どもの貧困を減らすため、社会の中で通貨を循環させるプロジェクトです。まず希望する人々に定額の地域通貨(たとえば毎月10万円)を供給します。地域通貨が使われて社会の中を流通したあと、地域内の地域通貨保有者全てから、地域通貨の一部を毎月定率(たとえば1%)で回収し、次の月の定額供給に回します。「循環する通貨」のシステムは、経済の「血液」 である通貨、お金を、社会の中で強制的に循環させ、社会の隅々にまで行き渡らせる「心臓」の役割を果たします。

キーワード

アクション詳細

目指す社会のあり方、ビジョン

近年、世界中で、富裕層がより一層富み、貧困層がより一層貧しくなって、経済格差がどんどん広がっています。こんなに発展した21世紀で!本来、科学技術発展の目的は人々の幸せのはずなのに、人々がどんどん不幸になっているのは本当におかしい。
そうなる理由は、自由主義市場経済のもと、弱肉強食の競争が社会理念だから。みんな、どうやって差別化して生き残るかで必死でしょう。子供の頃から厳しい競争社会で勝者になることを奨励されています。が、勝者がいる社会は、必ず敗者が大量にいる社会なのです。

科学技術や産業は競争していい。芸術やスポーツも競争していい。でも、生きることだけは競争してはいけないです。負けたら死ななくちゃいけなくなるから。生きることを競争する社会は、野生動物の世界と同じです。能力がある人が優遇されるのはいいけど、能力の無い人が死ななくちゃいけない社会は人間の社会とは言えない。

本来、人間はもっと利他的だと思うのです、特に日本人は。だから、一人だけ成功を目指す競争社会ではなく、みんなで幸せを目指す協力型社会を作りませんか。生きることを競争しない「協力型社会」が社会の基礎にあれば、若者は、好きなことを自由に元気よく競争して、さまざまな新しいことに挑戦できるのです。無駄と余裕を排除しない、効率ばかりを追い求めない協力型社会を作りたい。そう考えています。

現状とビジョンのギャップ、課題の構造

左図左は日本国内の通貨総量とM3と、GDPを比較した図です(こちらの論文から引用)。GDPが横ばいなのに、通貨総量が増え続けていることがわかります。通貨を1回でも使えばGDPはその分だけ増えるので、通貨総量とGDPの大きな差は、日本では1年間に一度も使われていない通貨が大量にあることを意味しています。一度も使われない通貨、つまり預金口座にただ溜め込まれ、ずっと滞留・沈殿している通貨です。左図右は、その沈殿する通貨の推移です。ここ数十年で激増し、最近では900兆円にのぼっています。GDPを遙かに超える量のお金が、1年に一度も使われずにただ預金口座に眠っているのです。。

日本では、政府が赤字国債で予算執行すると、民間に支出されたそのお金は、回りまわって富裕層の預金口座にたどりついて溜まるということです(貯まるじゃなくて溜まるです、経済の血液である通貨が澱んで溜まっている異常な状態です)。これが平成の30年間ずっと起きていたことです。だから個人の金融資産が年々増え続けてる。現状ではそのお金が中低所得層に戻ってくることはほとんど無いし、政府に戻ることもほとんどない。。そういう仕組みがないのです。だから、金持ちに沈殿する通貨が中低所得層に戻ってくる仕組みが必要なのですよ。

アプローチの方法

このシステムでは、まず希望者に毎月定額(例えば10万円分)の地域通貨などを提供し、地域内での購買に使用してもらいます。通貨を受け取った地域内の商店なども、その地域通貨を更に購買に使用できるので、地域通貨が地域社会の中を流通します。次に、地域内の地域通貨保有者全てから、地域通貨の一部を毎月定率(例えば1%)で回収し、次の月の定額供給に回します。

「循環する通貨」はこのように、地域通貨をその地域内で循環させるシステムで、その地域内の経済を大きく活性化するとともに、定額供給と定率回収の組み合わせで、通貨の富裕層への停滞を防ぎます。

地域通貨でなくても、例えば企業が配るポイントなど、地域内で使える通貨価値なら実施可能です。ただし、この通貨は、財・サービスを交換するための「公共財」なので、企業が発行するポイントで実施する場合も、その企業の立場はその他大勢と同じです。利益誘導には使えません。あくまで、社会全体の経済を活性化するための仕組みです。

「定額供給・定率回収」の「循環する通貨」なので、供給は10万円などの定額、回収は、持ってる金額に応じての定率なので、例えば3万円持ってたら定率を1%とすると300円が回収されます。回収されたくなければ使い切ってしまえばいいのです。「循環する通貨」の目的は、富裕層または黒字企業に沈殿する通貨を循環させることですから。

通貨の定期的な定額供給という意味では、「ベーシックインカム」に似たシステムですが、最初に一定額の財源を確保すれば、地域通貨の定額供給→定率回収→定額供給の循環により、その後は財源を気にすることなく、半永久的に経済活性化を行うことができます。100人の人に毎月10万円を供給するために必要な金額の総額は、回収割合を1%とした場合、10億円です。10億円あれば、100人の人に未来永劫、10万円を毎月配ることができます。1億人の人に毎月3万円を配るために必要な金額は、回収割合を1%とした場合、300兆円です。アメリカは今回の新型ウィルス対策で約220兆円を投じるそうです。また日本には900兆円以上のお金が眠っています。全く不可能な金額ではないのです。

新型ウィルスでいくらみんなが自粛しても、社会に存在する「通貨の総量」は変化しません。当たり前ですね。ということは、問題は、お金が動かなくなっていること。通貨が滞留していることが問題なんです。みんなが一斉にお金を使うのを止めると、経済が縮小するってのが、今回は本当にわかりやすいですね。でもでも実は、、平成30年でずっと起きていることも同じことです。前述の、1年に一度も使われずに溜め込まれる金額は年々増え続けています。今回政府が注入する金額も、ほっとけば吸い込まれるようにお金持ちのところへ行って溜め込まれます。。みんなが幸せになるためには、循環させないといけないのです。


アクションリーダー プロフィール

堂免 恵(どうめん けい)

㈱湧志創造 代表取締役。工学博士。
東京工業大学卒。㈱富士通研究所を始めとして、電機業界にて23年間、半導体光デバイスの研究・開発・量産に携わったのち、2011年の震災を契機に産業をアカデミアから支えたいと考え大学に転職。そこでアカデミアと産業界の間の高い壁に気づき産学連携を志し起業、2015年に応用物理学会内に産学協働研究会を立ち上げる。その後の活動のなかで、大学でも産業界でも産学連携でも問題は全て、根本的には、政府を含む実体経済にお金がないことが理由と気づくと同時に、18世紀のアダム・スミスにいまだに支配される経済学と資本主義の矛盾を知って、現在は、産学連携推進とともに貨幣経済における実体経済窮乏化の問題解決を模索している。

団体/企業詳細

団体名
  • 株式会社湧志創造

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