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緊急事態でも、すべての親子を置き去りにしない。困難を抱える子育て家庭にセーフティネットを。

認定NPO法人フローレンス

実行中

更新日:2020.06.02

子どもの貧困や虐待、障害児家庭やひとり親家庭支援などに取り組むフローレンスは、新型コロナウィルス感染症拡大を受け、日本国内の親子を支援する「新型コロナこども緊急支援プロジェクト」を始動しました。

「#すべての親子を置き去りにしない」をキーワードに、「医療的ケア児家庭」「経済困窮家庭」「ひとり親家庭」に対してさまざまな支援を実施していきます。

キーワード

アクション詳細

目指す社会のあり方、ビジョン

新型コロナウイルスの影響で、首都圏を中心に、感染者数の急増に反比例するように私たちの日常生活が失われています。

先行して外出禁止下にあるフランスやアメリカなどでは、DVや虐待が急増しており各政府が対策を発表するといった報道もありました。

すべての国民が困難に直面する今、中でも障害児を育てる家庭や頼り先が少ない家庭が孤立することによるリスクが、懸念されます。環境的、経済的に困難を抱える子育て家庭への、サポートやセーフティネットが必要です。

フローレンスおよびフローレンスの運営する外郭団体では、3月に「一斉休校に関する緊急全国アンケート」「医療的ケア児 一斉休校に関する緊急全国アンケート」「こども宅食モデルを運営する全国団体による調査」等により、それぞれ属性の違う子育て家庭に対し緊急ニーズアンケート調査を行い、課題を抽出しました。

緊急時において、特に支援ニーズが高いのは、

「医療的ケア児家庭」
「経済困窮家庭」
「ひとり親家庭」

であることがわかりました。

それをもとに緊急支援プロジェクトを立ち上げ、本活動への支援を全国から募っています。

アプローチの方法

寄付で支援を届ける支援先

①医療的ケア児と呼ばれる障害児を育てる家庭(全国の医療的ケア児者家庭、全国のNICUやこども病院などの医療機関)
②経済的に不安定な家庭(食品宅配やこども食堂などを運営する全国支援団体の利用者)
③ひとり親の家庭(フローレンス病児保育ひとり親支援プラン会員、全国のひとり親家庭)

支援内容

①いまだ不足する医療物資の提供、社会から孤立する医療的ケア児に対する支援を模索

フローレンスが事務局を運営する「全国医療的ケア児者支援協議会」で実施した全国緊急ニーズ調査アンケートによると、アルコール綿やマスク、エタノールといった医療的ケア児者の日常生活に必須となる医療物資が枯渇していることがわかりました。全国医療的ケア児者支援協議会ではこれまでにもエタノールやマスクなどの医療物資のマッチングを行い迅速に障害児者家庭に配送を行ってきました(●寄贈者数:277名●配送家庭数:1203家庭)。また、本プロジェクトにいただいた寄付を原資にアルコール綿を確保し、希望する障害児者家庭への配布を進めています。(●5月末時点で配送:4300家庭)。しかし、まだ全国には医療物資を待っている親子がたくさんいます。

また、重い障害を持って産まれた子ども達が最初にケアを受けるNICUでも同じ課題があります。5月末日現在、本プロジェクトに提供いただいたマスクを、全国各地のNICUやこども病院等23施設に計59,000枚寄付しています。引き続き、マスクや防護服など不足している医療物資の提供を行っていく予定です。

②こども宅食モデルなど、食で子育て家庭支援をする全国団体の活動促進

ひとり親世帯・生活保護世帯、就学援助対象世帯、その他介護・病気・失業などで経済的に困窮し支援が必要な世帯や、見守り型支援が必要な家庭(全国)への、宅配型支援活動を強化します。コロナ関連の緊急支援を行っている団体、および、フードバンクや子ども食堂のうち「こども宅食」モデル(宅配型)で緊急支援を行う団体など、全国10以上の団体に助成を実施します。「宅配型」の緊急支援を行うことで、経済的に厳しい子育て家庭に直接つながり、地域で孤立してリスクを高めることを防ぎます。困っている家庭を次の支援につなぐことが可能になります。5月末時点で、宮城県・佐賀県・沖縄県で新しい「こども宅食」モデルの支援がスタートしたほか、全国各地で配送開始に向けた準備が進んでいます。

また、フローレンスが事務局を務める「一般社団法人こども宅食応援団」で以前から伴走支援を行ってきた全国各地の団体でも、寄付を原資に「臨時便」の配送が行われています。(対象:400世帯・1200人以上)

※こども宅食とは、就学援助世帯など経済的に厳しい子育て家庭に、定期的に食品をお届けしながら、ご家庭とつながりをもち、地域や社会からの孤立を防いでいく取り組みです。2017年文京区からスタートし、現在全国に活動モデルが広がっています。フローレンスは、こども宅食モデルを全国に拡げる活動を担う「一般社団法人こども宅食応援団」の事務局運営事業者です。

③ひとり親家庭の支援ニーズ調査・支援物資や病児保育の無料提供

勤め先の休業や学校休校措置に伴い、収入減や食費などの支出増の傾向にあります。中でも、ひとり親家庭への経済的、心理的負担は子ども達への影響も甚大です。フローレンスでは、4月に訪問型病児保育を利用するひとり親家庭(ひとり親支援プラン利用者)を中心に、困りごとをアンケート調査しニーズを可視化しました。調査の結果、「行政や民間企業による支援策として、どんな制度やサービスがあったら助かりますか」の問いに「ベビーシッターなど自宅で子どもをみてくれるサービス(60%)」のニーズが高くなったことを受け、フローレンスの訪問型病児保育を利用するひとり親会員の月会費無償化(5月~7月引き落とし分)を実施するとともに、健康児・病児に関わらず一人当たり月16時間の無料保育サービスの提供、きょうだい児へ保育を提供する「ひとり親・きょうだい児サポートプラン」の新設、寄付を原資とした生活必需品の提供なども行っています。

全国のひとり親家庭に向けても、NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむと連携しひとり親家庭向けの食糧配送支援を実施しているほか、風俗業界で働く女性の無料生活・法律相談窓口「風テラス」の相談体制を強化するなど、外部団体と連携しながら、相談窓口の運用など様々な支援内容を検討・実施しています。

また、4月24日にはプロサッカー選手の長友佑都選手がひとり親支援のためのクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げました。フローレンスもプロジェクトメンバーとして参加し、ひとり親家庭への支援をより一層強化してまいります。

フローレンスについて

Vision:
私たちは、社会変革のイノベーター集団として「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」をあたりまえにするため、これからも挑戦し続けます。

Mission:
「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」
これが、私たちフローレンスの存在意義であり、使命です。

「病児保育問題」「ひとり親問題」「待機児童問題」「障害児保育問題」「孤独な子育て問題」「赤ちゃん虐待死問題」

時代の変化と共に様々な社会問題が生まれ、多くの親子を苦しめています。少しずつでも、親子の笑顔を増やし安心して子育てできる社会を創りたい。そのために、一つでも多くの社会問題を解決していきます。

アクションリーダー プロフィール

駒崎 弘樹

認定NPO法人フローレンス 代表理事/
1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、「地域の力によって病児保育問題を解決し、子育てと仕事を両立できる社会をつくりたい」と考え、2004年にNPO法人フローレンスを設立。日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを首都圏で開始、共働きやひとり親の子育て家庭をサポートする。
2010年からは待機児童問題の解決のため、空き住戸を使った「おうち保育園」を展開。「おうち保育園」モデルは、2012年度より「小規模認可保育所」として、政府の子ども子育て新制度において制度化され、全国に広がった。
2014年には、これまで保育園に入れなかった医療的ケアのある子ども達を中心とした障害児を専門的に預かる「障害児保育園ヘレン」を東京都杉並区に開園。2015年4月から、医療的ケアのある障害児の家においてマンツーマンで保育を行う「障害児訪問保育アニー」をスタート。
政策提言や担い手の育成を行うため、2012年、一般財団法人 日本病児保育協会、NPO法人 全国小規模保育協議会を設立、理事長に就任。2015年、全国医療的ケア児者支援協議会を設立、事務局長に。
公職としては、2010年より内閣府政策調査員、内閣府「新しい公共」専門調査会推進委員、内閣官房「社会保障改革に関する集中検討会議」委員などを歴任。 現在、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員会座長、内閣府「子ども・子育て会議」委員、東京都「子供・子育て会議」委員、横須賀市こども政策アドバイザーを務める。
著書に『「社会を変える」を仕事にする: 社会起業家という生き方』 (ちくま文庫)、『働き方革命 』(ちくま新書)、『「社会を変える」お金の使い方』(英治出版)『社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門 』(PHP新書)。翻訳書に「あなたには夢がある 」(英治出版)。
一男一女の父であり、子どもの誕生時にはそれぞれ2か月の育児休暇を取得。

団体/企業詳細

団体名
  • 認定NPO法人フローレンス

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