持続可能な教育現場を創る、次世代教員養成プログラム「TEST」
一般社団法人lightful
「TEST(テスト)」は、教員・教育業界を志望する大学生向けの、次世代教員養成プログラムです。教員を目指す学生が現場での経験を積むサポートをすること、学校の人手不足を解消し笑顔で働ける教員を増やすことを狙い、2020年から埼玉県戸田市の公立小中学校で実施されています。
現場の負担をポジティブに、摩擦なく改善する手段の一つとして、教員と教育業界を志す若者のため、そして人手不足が深刻な学校現場のために、一般社団法人merry atticと一般社団法人lightfulが協力して取り組んでいます。2021年度からは、学生団体Teacher Aideも加わりました。
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
この課題に取り組むことで目指す社会のあり方は、「子どもが幸せに学べる社会」です。
大阪教育大学の調査によれば、日本における学校の先生の教育実習の時間は諸外国と比べて低い現状にあります。さらにコロナ禍においては、教育実習で教育現場を経験せずに、新任として働き始めなければならない学生もいました。
「TEST」の運営に関わっている3つの組織が共通しているビジョンは、「先生のため」「子どものため」です。
私たちは、先生の忙しさが少しでも軽減され、先生がより子どもたちに気を配ることができるような場作りを応援します。また、教員を志望する学生が、学校現場で必要な能力を身につける機会を最大化し、やがて先生になる彼らがより生徒・児童を近くでまなざしていくことを応援しています。
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
「TEST」は、インターンとして、ボランティアや教育実習生とは異なった立場から学校現場を支えることで次の社会課題を解決します。
① 教員になるための現場トレーニングが少なすぎる
② 教員があまりにも忙しすぎる
以上の課題を解決するために、学生をインターン生として学校に派遣し、教員のサポートを行います。
日本の学校現場では、新任として赴任した日から「一人前」であることを求められます。その訓練の場である教育実習で充分に学ぶことができているか、についても平均1か月、と諸外国と比較すれば短い傾向にあります。
また、学校の人手不足も深刻な問題となっています。なぜなら、人手不足を補うように一人一人の労働時間が増えるからです。過労死ラインを超える勤務を繰り返す教員は、小学校で3割、中学校では6割を超えています。
近年では、教育実習などで学校教員の労働実態を知り、前向きな気持ちで教員を目指す学生が減っています。実際に、教員採用試験の倍率が定員割れする自治体も見られるようになりました。
アプローチの方法
・教育実習より長い期間、実務的なトレーニングを積むことができる
(2020年度は10月~3月、2021年度は最長7月~3月、週に1,2回程度)
・一定期間の参加を通し、子どもの変化をよりリアルに感じることができる
・ICT活用が盛んな戸田市の学校での実習を通して、ICTを活用した授業や子どもの様子を見ることができる
【定期的に行われるチームでの反省会】
・同じ目標を持つ仲間と、建設的な議論ができるようになる
・運営スタッフとの対話を通して、悩みや疑問を解消できる
・信頼関係の構築を経て、新しい取り組みの提案を学ぶことができる
【1ヵ月に1回程度行われる全体会議】
・異なる校種のメンバーと情報共有して、新たな刺激を受けることができる
・小学校・中学校の特徴を認識することで、子どもの成長に合わせた教育を考えることができるようになる
これまでの活動実績
次世代教員養成プログラム「TEST」第1期が終了しました!
昨年度の次世代教員養成プログラム「TEST」第1期では、講義研修・実地研修ともに多くの学生に、実際の学校現場で行われている最新の教育や学習体験を実感していただくことができました。
インターンで感じた教育現場での体験を、週に1回の反省会(フォローアップミーティング)と月に1回の全体会議(ミートアップミーティング)で内省・共有を行い、学びの経験値を着実に溜めながら「主体性」「多様性」「協働性」「問題解決能力」「現場対応能力」「情報伝達力」を伸ばしていきます。
同時に、学校で先生の身の回りの業務を「TEST ASSISTANT(=TA)」として行っていくことで、学校の先生からは「未来の残業時間を減らすことができている」「任せられることが多く自分の授業準備に注力できた」「ぜひ来年も来てくれると嬉しい」とのお声をいただきました。
年度末には参加学生の成果報告会を執り行い、学生たち自身の成長をアウトプットすると同時に、関わっていただいた学校関係者さまのみならず、広く教育関係者さまへの活動のお礼と報告をする場を設けました。
引き続き、次世代教員養成プログラム「TEST」は、「子どもが幸せに学べる社会」を目指し、次世代の教育を担う若手人材への希望を持つことのできる持続可能なプログラムを実施して参ります。
次世代教員養成プログラム「TEST」がクラウドファンディングに挑戦しました!
2021年6月26日から、CAMPFIRE(GoodMorning)にてクラウドファンディングに挑戦しました!
おかげさまで支援者数157人、支援総額1,377,041円を達成いたしました。
ご協力いただきました皆さま、ありがとうございました。
リターンの返礼は、9月中を予定しております。
次世代教員養成プログラム「TEST」では、インターンでの定期的な現場経験を通して、より質の高い教育家人材を輩出します。
私たちは、これらの課題を解決しながら、教育に携わるすべての人と明るい未来を繋げます。
今後のマイルストーン
次世代教員養成プログラム「TEST」第2期は2022年3月で終了します。
2022年4月から第3期に向け始動、より持続性のあるプログラムにするため、また今後より多くの自治体・公立小学校へ導入していくことができるよう、プログラムの改良を重ねながら広く認知を獲得していきたいと考えています。
一緒に参画いただける方募集中!
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インターン
実際にこのプログラムに参加していただける大学生を募集しています!
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連携メニュー(法人・団体)
取材・メディア掲載のお問い合わせはこちらから。ご連絡お待ちしております!
アクションリーダー プロフィール
- 田中あゆみ
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一般社団法人lightful 代表理事/デジタルハリウッド大学 3年
私立品川女子学院中等部・高等部を卒業。浪人中にプロジェクト活動として始動させたlightfulを2019年8月に一般社団法人へ登記。北海道新陽高校でのインターン、高校生へ通年での探求学習の授業構想、「TEST」での学校アサインなど、学校現場において先生に近い立場で入る実践を重視。現場の現状だけでなく先生の気持ちをなるべく理解し、寄り添っていけるように努めている。またデジタルハリウッド大学院の佐藤昌宏教授、慶應義塾大学SFCの鈴木寛教授に師事を受けながら、広く教育・Edtechについての研究を行う。学校の先生は未来を作っていく職業であるはずなのに、自分の幸せを壊してまで生徒に向き合わなければいけない状況があるが、これを打破し、全員が幸せに教育ができる社会を作っていきたい。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 一般社団法人lightful
- 連携パートナー
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- 一般社団法人merry attic、学生団体Teacher Aide、埼玉県戸田市教育委員会
- 活動地域
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- 埼玉県戸田市
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