転入女性のつながりづくりから、誰もが胸を張って暮らせる地域をつくる
bel*fonte/ten ten fukushima
bel*fonte(ベルフォンテ)は、パートナーの転勤や結婚により自分の意志とは関係なく福島に移住した転入女性が、社会とつながり、いきいき暮らせるしくみをつくっています。
転入女性のなかには、働きたくても働けない女性が多く、転入当初は特に不安と孤独感で、社会や地域から隔離された感覚に陥りがちです。そうした女性を対象に、仲間とつながる場や仕事につながる環境をつくることで、転入女性自身からは「福島に来てよかった!」、地域の人からは「あの人が福島に来てくれてよかった」という声が聞こえる福島になることをめざしています。
転入女性のコミュニティを育み、ヨソモノ視点を生かした地域づくりへと展開することで、誰もが胸を張って誇れる福島をつくり、人も地域も輝く社会になることをめざしています。
アクション詳細
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
全国の調査によると、夫の転勤に伴い、働いていた妻の7~8割は離職して新たな土地へ転入すると言われています。転勤を伴う企業や職種が多く集積しているまちでは、パートナーの転勤や結婚で、自分の意志とは関係なくその地域に移住をした”受動的移住者”=転入女性が一定数います。福島県でも同じ転入女性がおり、公共交通機関のアクセスの悪さやサポートサービスの不足により、地方における転入女性だからこその「孤独感」や「焦り」を抱え、地域のなかで孤立してしまうケースが多く生まれています。何年福島に居られるか分からず先の見通しが立たないなかで、知り合いが少なく、情報を入手しづらい環境にいる転入女性にとっての仕事探しや子育ては、多くの苦悩が伴います。
さらには、一度、社会や地域から隔離された感覚に陥ると、福島に対してもネガティブなイメージを持ってしまいます。それは、ひいては地域にとっても大きな損失になります。転入女性が、福島で人や地域とつながり、福島にポジティブなイメージを持つ環境づくりが地域にとっても必要です。
アプローチの方法
「転入女性が暮らしやすい福島づくりプロジェクト」
パートナーの転勤や結婚により福島に転入した女性を対象として、福島の魅力を体験するワークショップや座談会を開催し、仲間づくりや情報交換を行う場をつくっています。
■WELCOMEワークショップ
福島のことを学びなから仲間づくりができる、初夏と初秋に開催する各3回連続講座。「花見山のドライフラワーでハーバリウム作り」や「福島の果物から起こした酵母でベーグル作り」など、福島の素材を使って、福島に住んでいるからこそ体感できる魅力や楽しみ方を知ることができます。このワークショップを通して、「福島を好きになるきっかけになった」「地元でないところで頑張っている人がいると知り、自分も何かやりたいと思った」など、“自分”と“福島”がつながる接点を見つけるきっかけになっています。
■しゃべり場(座談会)
トークテーマを決めて、参加者全員が自由に話しながら情報をシェアする場です。トークテーマは、「福島で過ごす夏のおすすめスポット・イベント」「転入や転勤でリセットされた仕事やキャリア」「転入して驚いたこと」など様々で、参加者がそれぞれ持つ情報や経験をシェアすることで、生活や仕事における悩みの解決の糸口が見つかる場になっています。参加者のなかには、“「ママ」や「親」という立場ではなく「自分」としてつながる場がほしい”というニーズも多く、お子様連れNGの「大人会」も開催しています。
■転入女性の暮らしを応援するWEBサイト「ten ten fukushima」
「福島に転入した女性」と「これから福島に転入する女性」の暮らしを応援するサイトを立ちあげました。暮らしに必要な買い物情報や日常生活に出てくる地域名MAP、転入女性のインタビューなど、女性たちの暮らしや仕事における不安や悩みを少しでも軽減し、そっと寄り添えるような記事をお届けしています。これらの記事のライターは、転入女性メンバー。転入したからこその目線や気持ちから、福島のリアルが伝わる記事を展開しています。また、「ten tenライター講座」も開催し、転入女性が将来的にライターとしての仕事ができる養成も行っています。
今後のマイルストーン
参加者のなかには、こうした場を通じて、「新たな転入者を迎える」立場になられている方もいます。情報を受け取る立場から、情報をお届けする立場へ。さらには福島で新しいことを生み出していこうという立場へとチャレンジしていく姿は、転入女性にとっても、福島にとっても“希望の光”となっています。
この場に集まる方々は、様々な地域に住んでいたからこその豊かな知見や経験、スキルを持っている方々ばかりです。そうした転入女性が持っている経験やスキルを見える化&ネットワーク化し、地域と関わる場や活躍できる場を増やしていきたいと考えています。転入女性が持っているパワーを、ボランティアや在宅ワーク、短期的な仕事などで、力を必要としているところとマッチングを行うwin-winの関係を構築していきます。転入女性同士がつながるだけではなく、ひとりひとりが福島での「仕事」を通じて、福島を知り、そして地域に貢献していくことが、人も地域も成長していくことにつながっていくと考えています。
また、新天地でも奥さんが幸せであることは、パートナーや家族の幸せにつながります。そこで、転勤の多い企業と連携し、福利厚生として、転入女性同士がつながる場に参加する機会提供や、経験やスキルを活かせる仕事のマッチングなどを行うことで、さらなる好循環を生み出していきたいと考えています。転入女性も、その家族も安心して転入できる福島をつくることが、ゆくゆくは「家族での転入増加」や「関係人口の増加」にもつながっていくと信じています。
一緒に参画いただける方募集中!
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寄付
転入女性にとって「つながる場」や「地域の情報」が、家族を守るため、また生き生きと暮らし働くために必要です。そうした転入女性の苦悩は見えにくく、サポート体制が十分とは言えません。転入女性が輝き、地域に貢献していく環境づくりに、みなさまのご支援をお願いいたします。
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プロボノ・ボランティア
転入女性が生き生きと暮らし、働ける環境をつくるため、転勤の多い企業との連携のしくみをつくります。転入女性にとっても、企業にとってもwin-winとなるしくみづくりに参画をしてくれる方を募集しています。
アクションリーダー プロフィール
- 藤本 菜月 (ふじもと なつき)
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bel*fonte(ベルフォンテ) 代表
石川県小松市出身、福島市在住。大学卒業後、農林水産省に就職。2006年、同僚で白河市出身の夫との結婚を機に福島県へ移住。県職員となった夫の転勤で南会津町や喜多方、須賀川、福島の各市を転々とする。福島の地域資源にデザインを加えた商品開発を行う団体「bel*fonte(ベルフォンテ)」代表。9歳の男の子と6歳の女の子の母。自身の経験を元に2018年より「転入女性が暮らしやすい福島づくりプロジェクト」をスタートさせる。
団体/企業詳細
- 団体名
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- bel*fonte/ten ten fukushima
- 活動地域
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- 福島県
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