私たちは「教育しない」/ 高校生・大学生の「自己実現」と「多様性」/ Otonatachi

オトナタチ一般社団法人

私たちは「高校生・大学生の自己実現欲求を最大化する」という信念ですべてのことを行っています。
多様性を尊重する社会に価値があると信じています。
自己実現とは、人が自分にとって大切なことを見極め、それを大切にする日々をおくることです。私たちは、自由で、自発的な、ひとりひとりの独自の価値観とその表現に魅了されています。ひとりひとりの自己実現が、本人と周囲の幸福度を高め、ゆたかで、やさしくて、おもしろい社会をつくっていくのです。
故に、私たちはすべての学生の価値観や生き方を尊重しています。
そして対話を用いて、学生自身による自己認知(何を大切にするか)と自己管理(どう大切にするか)を支援しています。同時に、当事者を深く理解することで、学生の自己実現を阻む社会的・構造的な要因を解明し、解決を試みています。
アクション詳細
アプローチの方法

2018年に始まった1on1 collegeは、高校生・大学生が自分自身をデザインするためのオンラインツールです。私たちは対話を用いて、学生自身による自己実現を支援すると同時に、当事者を深く理解することで、学生の自己実現を阻む社会的・構造的な要因を解明し、解決を試みます。
これまでの活動実績
<プログラム>
月1回・1時間 / オンライン / 無料 /
社会人メンターとの1対1でのミーティング
高校生・大学生対象(高専・修士・浪人・休学含む)
<参加者の活動・1on1のトピック>
絵画/造形/写真/音楽などのアート、デザイン/プログラミング/ものづくり、学業/研究/論文、スポーツ、起業/ビジネス、部活/サークル/学生団体運営、インターンシップ/ボランティア/アルバイト、進路/受験/留学/就職、友人/家族/恋愛 etc
<ファクト>
- 72 現在の参加者数
- 162 累計の参加者数
- 66.7% 累計の女性の割合
- 3.5 最長の参加年数
- 23 国内の参加者の住んでいる都道府県
- 11 海外の参加者の住んでいる国・地域
- 100% 「やりたいことが明確になった」と答えた割合、在籍3ヶ月以上
- 600 年間1on1実施数、2021年度
<参加者在籍校>
(高校・高専)
郁文館グローバル、N、北豊島、吉祥女子、クラーク国際、高知国際、渋谷教育学園渋谷、筑紫女学園、鶴岡工業高専、東京学芸大附属国際中等教育学校、東京韓国学校、福岡工業大学附属城東、UWC ISAK Japan、Marc Garneau Collegiate Institute
(大学・大学院)
大阪、慶應義塾、高知、神戸市外国語、国際教養、国際基督教、淑徳、昭和薬科、多摩美術、筑波、電気通信、都留文科、東京、東京医科歯科、東京女子、東京成徳、東京農業、獨協、名古屋、日本女子、兵庫県立、文教、北海道情報、宮城教育、立教、立命館、立命館アジア太平洋、早稲田、University of Amsterdam、University of British Columbia、San Francisco State University、Seoul National University、University of Toronto
※短期留学を除く、2022.5.20現在
必要なリソースや提案したいこと
私たちは「教育しない」
世界で最も重要な投資は「人を育てること」です。芸術や科学、技術を創造し、家庭や企業、地域を構成し、法や制度をつくり、運用し、あるいはそのつくり手を選ぶのが「人」だからこそ、それを成熟させる「教育」は最重要だと考えられています。また、SDGsの達成や、気候変動や貧困など大規模で複雑な社会課題を根本から解決するためには、多分野・多職種による同時多発的なリーダーシップが不可欠であり、そのためにも「教育」は求められています。
しかし、私たちは「脱・教育」を提案します。矛盾と感じるかもしれませんが、「人を育てること」が重要だからこそ「脱・教育」なのです。大人が教えたいことを教える「教育」より、子どもがやりたいことをやる「自己実現」を支援するのです。
なぜなら、もはや「人を育てること」にとって、「教育」は「自己実現」ほど重要な手段ではないからです。
教育は他の人(家庭・学校・企業)にしてもらうことで、自己実現は自分が自分のためにすることです。興味に基づいた学習は、そうでないものと比較して学びの効果が高いことがわかっており、リカレントやリスキリングのきっかけや方針になるものです。また自己実現は、専門的なスキルの向上、リーダーシップの発揮、他者との関係構築の基盤になり、その影響はIQ(知能指数)を凌ぎます。
一方で私たちは経験上、学生の多くが「やりたいことがわからない」と悩んでいることを知っています。実際に、日本の若者は、自身の個性や強み、目標や方向性などの価値観に自信を持てなくなる傾向が、他国よりも20-40%高いことがわかっています(*1)。私たちはそれを過小評価してはいけません。これらのことは、自己肯定感、生活の満足度、将来への悲観的な態度に影響し、遂には、日本の子どもの精神的幸福度(mental well-being)は先進国38カ国中ワースト2とされるに至りました(*2)。
自尊感情が低い人間は、他人を尊重することが難しくなる傾向も指摘されています。つまり自己実現は、多様性(diversity)・公平性(equity)を尊重し、他者を包含(inclusion)する姿勢をも醸成するのです。
これらの原因は根深く、構造的です。現代の情報化社会は、多くの学生に自由以上に迷いを与えました。近年のパンデミックは、自分を知る様々な機会と意欲を奪いました。加えて我が国では、文化的・歴史的に、私たちは自分の意見よりもコミュニティの雰囲気を尊重する傾向すらあります。もはや現代の日本に生まれ育つことは若者にとって恵まれたことではないのです。
私たちは「教育しない」こと、そして「自己実現」を支援することを選びました。私たちの最大の動機は、当事者の学生本人が「自己実現」を強く望んでいることです。そしてこれまで多くの学生から話を聴くなかで、やりたいことが何もない人はひとりもいなかったことです。
*1: 18歳意識調査「第46回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-」報告書(日本財団、2022)
*2: 対象38カ国中、Report Card 16 “Worlds of Influence: Understanding what shapes child well-being in rich countries” (unicef, 2020)
アクションリーダー プロフィール
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長谷川 亮祐
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学生との対話者。2018年、アート集団「チームラボ」の興行部門で採用責任者を務める傍ら、1on1 collegeの前身となるプログラムを創業。後に独立。これまでアートミュージアム『teamLab Borderless』事業開発、(株)ポピンズ 社長室、衆議院議員秘書など。
団体/企業詳細
- 団体名
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- オトナタチ一般社団法人
- 活動地域
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- 日本全国/世界各地
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