「やりたいことがわからない」は撲滅できる/ 高校生・大学生向け1on1ミーティング/ 1on1 college
オトナタチ一般社団法人
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
「自由と多様性」
(理想の社会像 / vision)
ひとりひとりが自由を謳歌し、独自の価値観が共存する社会に価値があると信じています。
「次の大人たちを支援する」
(社会での役割 / mission)
高校生・大学生のすべての内発的動機を尊重し、実現を支援します。私たちは自由で、自発的な、ひとりひとりの独自の価値観とその表現に魅了されているのです。
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
多くの人は「やりたいことがわからない」と言いますが、私たちは何にも興味を持てずにいる人に出会ったことがありません。高校生も大学生も、あるいはすべての大人たちも、それを自覚できなかったり、行動できなかったりするだけなのです。
ではなぜそんなことが起きてしまうのでしょうか?
原因は「正しい答えと失敗回避を求め、自分自身よりコミュニティの雰囲気や年長者の意見を重視する傾向がある、歴史的な日本の文化」に対して、「情報化・多様化した現代社会の不確実さ・複雑さ」の相性が悪く、学生たちがうまく適応できていないことにあります。
*The 6 dimensions of national culture(Hofstede Insights Japan、2021)
アプローチの方法
【1on1 collegeとは】
高校生・大学生年代*に月1回・1時間、社会人メンターとのオンラインでの1on1(1対1での)ミーティングを無償提供。民間からの寄付によって運営されています。
*高等専門学校、短期大学、専門学校、大学院・博士課程、浪人生や休学中含む
これまでの活動実績
<利用者の活動・1on1のトピック>
絵画/造形/写真/音楽などのアート、デザイン/プログラミング/ものづくり、学業/研究/論文、スポーツ、起業/ビジネス、部活/サークル/学生団体運営、インターンシップ/ボランティア/アルバイト、進路/受験/留学/就職、友人/家族/恋愛 etc
<数字でみる1on1 college>
- 75 現在の参加者数
- 218 累計の参加者数
- 97.5% 自分の価値観を、以前よりも深く理解したか
- 97.5% 自分の価値観に基づいて何かを選択したり日々を送りたいと、以前よりも強く思うようになったか
- 92.6% 自分の価値観に基づいた選択や日々を、以前よりも実現できているか
- 64.5% 累計の女性割合
- 5.5 最長の利用年数(2018.10-現在)
- 326 年間1on1提供数(2023年度)
<利用者在籍校>
(高校・高専)
郁文館グローバル、北豊島、吉祥女子、クラーク国際、高知国際、渋谷教育学園渋谷、筑紫女学園、鶴岡工業高専、東京学芸大附属国際中等教育学校、東京韓国学校、東洋英和女学院、豊島岡女子学園、名古屋国際、福岡工業大学附属城東、山手学院、Marc Garneau Collegiate Institute、N、UWC ISAK JAPAN
(大学・専門学校・大学院)
大阪、九州デザイナー学院、慶應義塾、高知、神戸市外国語、国際教養、国際基督教、淑徳、昭和薬科、摂南、多摩美術、中央、筑波、都留文科、電気通信、東洋、東京、東京医科歯科、東京経済、東京工業、東京女子、東京成徳、東京農業、獨協、名古屋、名古屋外国語、日本、日本女子、兵庫県立、文教、北海道情報、宮城教育、武蔵野美術、立教、立命館、立命館アジア太平洋、早稲田、University of Amsterdam、University of London、University of British Columbia、Mount Holyoke College、The University of New South Wales、San Francisco State University、Seoul National University、University of Toronto、Yale University
※短期留学を除く
必要なリソースや提案したいこと
私たちは「教育しない」
世界で最も重要な投資は「人を育てること」です。芸術や科学、技術を創造し、家庭や企業、地域を構成し、法や制度をつくり、運用し、あるいはそのつくり手を選ぶのが「人」だからこそ、それを成熟させる「教育」は最重要だと考えられています。また、SDGsの達成や、気候変動や貧困など大規模で複雑な社会課題を根本から解決するためには、多分野・多職種による同時多発的なリーダーシップが不可欠であり、そのためにも「教育」は求められています。
しかし、私たちは「脱・教育」を提案します。矛盾と感じるかもしれませんが、「人を育てること」が重要だからこそ「脱・教育」なのです。大人が教えたいことを教える「教育」より、子どもがやりたいことをやる「自己実現」を支援するのです。
なぜなら、もはや「人を育てること」にとって、「教育」は「自己実現」ほど重要な手段ではないからです。
教育は他の人(家庭・学校・企業)にしてもらうことで、自己実現は自分が自分のためにすることです。興味に基づいた学習は、そうでないものと比較して学びの効果が高いことがわかっており、リカレントやリスキリングのきっかけや方針になるものです。また自己実現は、専門的なスキルの向上、リーダーシップの発揮、他者との関係構築の基盤になり、その影響はIQ(知能指数)を凌ぎます。
一方で私たちは経験上、学生の多くが「やりたいことがわからない」と悩んでいることを知っています。実際に、日本の若者は、自身の個性や強み、目標や方向性などの価値観に自信を持てなくなる傾向が、他国よりも20-40%高いことがわかっています(*1)。私たちはそれを過小評価してはいけません。これらのことは、自己肯定感、生活の満足度、将来への悲観的な態度に影響し、遂には、日本の子どもの精神的幸福度(mental well-being)は先進国38カ国中ワースト2とされるに至りました(*2)。
自尊感情が低い人間は、他人を尊重することが難しくなる傾向も指摘されています。つまり自己実現は、多様性(diversity)・公平性(equity)を尊重し、他者を包含(inclusion)する姿勢をも醸成するのです。
これらの原因は根深く、構造的です。現代の情報化社会は、多くの学生に自由以上に迷いを与えました。近年のパンデミックは、自分を知る様々な機会と意欲を奪いました。加えて我が国では、文化的・歴史的に、私たちは自分の意見よりもコミュニティの雰囲気を尊重する傾向すらあります。もはや現代の日本に生まれ育つことは若者にとって恵まれたことではないのです。
私たちは「教育しない」こと、そして「自己実現」を支援することを選びました。私たちの最大の動機は、当事者の学生本人が「自己実現」を強く望んでいることです。そしてこれまで多くの学生から話を聴くなかで、やりたいことが何もない人はひとりもいなかったことです。
*1: 18歳意識調査「第46回 -国や社会に対する意識(6カ国調査)-」報告書(日本財団、2022)
*2: 対象38カ国中、Report Card 16 “Worlds of Influence: Understanding what shapes child well-being in rich countries” (unicef, 2020)
アクションリーダー プロフィール
- 長谷川 亮祐
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Otonatachi メンター・創業者。2018年、チームラボ在職時に『1on1 college』を創業。チームラボでは採用・新規事業に従事。アートミュージアム『teamLab Borderless』(東京・お台場)のプロジェクトマネージャーも務めた。そのほか、ポピンズ社長室、衆議院議員秘書、インテリジェンス(現:パーソルキャリア)など。
団体/企業詳細
- 団体名
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- オトナタチ一般社団法人
- 活動地域
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- 日本全国/世界各地
応援メッセージ
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頑張ってください
2023.11.28
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「教育しない」鳥肌が立つほど感銘を受けました! 素敵な考え方を発信してくださってありがとうございます!!
2024.07.02
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