介護タクシーと定額乗り放題タクシーで高齢者の生きがいが生まれる地域をつくる
郡山観光交通株式会社/株式会社孫の手(山口タクシーグループ)
アクション詳細
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
地方のタクシードライバーという職業は、日ごろのお客様との会話や関わりのなかで、お客様の暮らしや家庭の事情に触れる機会が多く、地域に密着しています。
そのなかで見えてきたのは、高齢者が家の中で”孤立している”という実態でした。2世帯暮らしで、一見裕福に見える家庭でも、高齢の親世代が、子ども家族に遠慮して「あそこに行きたい」「あれをやってみたい」と言うことができず、家の中に引きこもり、生きる希望すらなくなってしまっていることが起きていたのです。
アプローチの方法
こうした「高齢者が孤立している」という実態に気づくことができたのは、「ドア・ツー・ドア」でサービスが可能なタクシー事業を行っていたからこそ。私たちはその強み、さらには、ドライバーの豊富な人生経験を活かした、「介護タクシー」を東北で初めて導入しました。
「介護タクシー」事業を始めるにあたり、社長を含むドライバー40名がホームヘルパー2級の資格を取得。資格を持ったドライバーがご家族に代わって、高齢者の病院への行き帰りや一人での外出など、介護保険ではまかないきれない困りごとをサポートしています。
高齢の方が、「介護タクシー」を利用して、自分の行きたい場所に自由に行けるようになることで、その方が本来持っていた「欲」や「楽しみ」を引き出し、「生きがい」につなげたい。また、高齢世代を支えるご家族の心労をやわらげ、ご家族自身も安心して自分の仕事や楽しみを全うできるようにしたい。私たちが行う「介護タクシー」は、こうした介護や福祉の考え方に基づいた想いが出発点です。
「介護タクシー」事業を始めて、丸18年。この「介護タクシー」事業によって、ドライバーの”職業観”にも変化が生まれています。ドライバーとしての役割が、単なる「運転」ではなく、ひとりひとりの暮らしや困りごとに寄り添った「サポート」をすることにまで幅が広がり、お客様からの”ありがとう”がドライバーのモチベーションの向上につながっています。利用者も働く側も「生きがい」や「楽しみ」が生まれる、そうした好循環がこの「介護タクシー」事業にはあります。
この「介護タクシー」に加え、私たちは、2017年から「便利屋」事業をスタートさせました。
「移動」のサポートだけではなく、家のお掃除や高齢者のお話相手などを行い、地域にお住まいの方々のお困りごとにより広く対応した事業です。現在は、便利屋事業の社員が利用者の元へ伺っていますが、将来的には、地域にお住まいの方が、自分の得意なことや好きなことを登録し、それを求めている方につなげていく、「人材登録」による働き方改革もめざしています。例えば、将棋が得意な方が高齢者の相手役になるなど、こうした小さなマッチングは、登録した方も利用する高齢者も喜び、さらには人口減少が進むなかでの新たな働き方、人々の支えあいのしくみになると考えています。
今後のマイルストーン
私たちはいま、国土交通省による実証実験のひとつ、「定額乗り放題タクシー」事業に取り組んでいます。
これは、限定した区域内であればメーターを気にせず、一定の金額でタクシーを利用できる制度のことです。利用できるゾーンを設定して1カ月乗り放題の”定期券コース”と、10回まで使える”回数券コース”の2種類を用意し、特に高齢の利用者のニーズや地域の実態に合わせた事業を展開していきます。
タクシーを、単なる「移動」としてではなく、こうしたサービスがあることで、高齢者本人もその子どもも、生活に「ゆとり」や「楽しみ」が生まれるという理由でご利用いただく。私たちは、「人やモノを動かす会社」として、その強みを最大限に活用し、地域にお住まいの方々が「移動できる」ことで生まれる楽しみや、「人の役に立つ」ことで生まれる楽しみを増やす、地域発の課題解決事業モデルをつくっていきます。
一緒に参画いただける方募集中!
-
JOB(委託・パート・雇用)
地域の方々の暮らしの日常をサポートするスタッフ(介護・家事代行・生活支援)を募集
-
JOB(委託・パート・雇用)
地域の方々の暮らしを介護・福祉の視点で支えるタクシードライバー募集
-
インターン
高齢者を地域で支える新たな新規事業を考える社長の右腕インターン
アクションリーダー プロフィール
- 山口 松之進(やまぐち しょうのしん)
-
山口タクシーグループ代表取締役。
1970年、郡山市生まれ。大学、就職を経て
1997年に郡山に戻り、グループ入社。
2000年には自身もヘルパーの資格を取り、介護タクシーをスタート。
2008年に孫の手トラベルを設立し、全国初のタクシー送迎付きの日帰りバス旅行を開始。2015年のフードカートを導入をきっかけに、飲食サービス事業にも着手。
2018年、復興庁による「復興事業事例顕彰」で事業継承の成功事例として表彰を受ける。
グループ創業は1955年。タクシー事業からスタートし、運輸、バス、整備、物販等を展開している。
一方、郡山青年会議所に所属し、
2006年の日本青年会議所全国会員大会の運営、
2008年の郡山青年会議所理事長就任を経て、
2009年にはGReeeeNとの共同製作による「緑の扉」を郡山駅前に設置、
2010年に「こおりやまグリーンカレー愛好会」代表として、新たなご当地グルメを提案するなど、郡山を心から愛し、地域の魅力発信、しいては地域の発展にド真剣に取り組んでいる。
団体/企業詳細
- 団体名
-
- 郡山観光交通株式会社/株式会社孫の手(山口タクシーグループ)
- 活動地域
-
- 福島県/郡山市
連絡先/各種リンク
応援メッセージ
-
高齢者のための制度素敵だと思います!
2019.07.11
-
ありがとございます。
少しづつですが、地域の皆様の足となれるようチャレンジして参ります。
今後ともよろしくお願いいたします。2019.07.12
-
良い企画だと思いますが、相乗りもあるとなるとコロナが終息しない間は利用をためらう人も多いと思います。3月までの利用実績が少ないとしても確実に需要はあるので、長期的な運用をお願いしたいです
2020.12.10
-
時代に合った企画ですね。3月以降も実施していただけると、うちの父も運転免許を返納することを考えていますので、頑張っていただきたい。
2021.01.16
-
とても素敵ですね!頑張って下さい!応援しています!
2021.05.21
-
応援しています。
2021.12.17
-
ありがとうございます。狭いエリアではありますが、本社近郊の安積町エリアで継続して実施しており、少しづつ利用者も出てきております。事業を発展させる意味でも、本事業の中心となって担っていただける方を求めております。ご興味のある方は、ぜひご連絡をお待ちしております!
2021.12.17
コメントを残す