「虐待の連鎖」を食い止める ~子どもたちの苦しみに共に向き合える社会づくり~
NPO法人HUG for ALL
虐待を受けた子どもたちは心に深い傷を抱え、生涯にわたってその傷と向き合っていくことになります。児童養護施設に入所する子どもの7割以上が虐待を受けているという今、施設を退所した若者たちは、孤独孤立の中でその傷と向き合い、自立することを求められていますが、その道は非常に険しいのが現状です。
私たちHUG for ALLは、施設入所時から子どもたちとつながり、退所後も25歳までは支援対象として、それ以降は対等な関係を持つ大人同士としてつながり続けることで、共にその苦しみと向き合い、人生を支えていく社会のしくみを作っていきたいと考えています。
今回は、この「子どもたちを支えていく」ための活動を続けるために、社会をどう巻き込んでいくかを一緒に考えていただきたいと思っています。
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
すべての子どもたちに「安心できる居場所」と「生きる力」を
HUG for ALLは「すべての子どもたちに安心できる居場所と生きる力を」という願いをもって児童養護施設でくらす子どもたちの未来を支え、一人ひとりの子どもの人生に、社会人ボランティアと共に寄り添う活動をしているNPO法人です。
皆さんは児童養護施設とは何かをご存知ですか。児童養護施設は、さまざまな事情で家族と離れて暮らす3歳~18歳の子どもが生活している施設です。全国に約600ヶ所、2.5万人の子どもたちが暮らしています。
「さまざまな事情」とはどのようなものでしょうか。虐待・育児放棄が全体の45%をしめています。親の精神疾患が16%、経済的困窮が5%です。虐待やネグレクト、それから「家族と離れて施設にいる」ということ自体での心の傷はほとんどの子どもが抱えています。愛着不全や「生きている意味がない」といった自己否定感を強く持っている子どもが多いのです。
施設の中にいる間に愛着不全や自己否定感もケアしながら、これからのひとり立ちに備えて、未来を描き、前に進むこと。これは施設でくらす子どもたちにとって絶対に必要な支援だと思います。でも、実際にはこれだけでは足りない。大切なことは施設を退所したあとのサポートです。18歳~25歳くらい、皆さんも周りの大人や友人たちのおかげで乗り越えられたことがたくさんあったのではないでしょうか。施設を出た子どもたちは、家族や親せきを頼ることはできません。そんな中、一人でトラブルに向き合い、戦っていくのはとても大変です。
だからこそ、施設を退所したあとにも子どもたちには支えが必要なのだと考えています。とはいえ別々に継続的な支援をするには限界があります。施設職員さんだけではなく、信頼できる社会の大人たちがみんなで、施設にいる間も、施設を出てからも、子どもたちのサポート・ケアをし続ける世界。それが私たちの目指す社会のあり方です。
アプローチの方法
HUG for ALLでの体験を「研修」として企業に販売できないか?
「子どもに寄り添う」ことは子ども自身にとって必要なことですが、実は大人たちにとっても新しい価値観・視点を獲得する機会になります。
HUG for ALLに必要な
・子どもを支える、社会に広げる「つながり」
・子どもを支える、活動を支える「お金」
を得るために、体験価値を活かした企業向けの事業アイデアを考えていきたいです。
ブレストしたいこと
「大人が変わる」×「HFAの資金調達」の挑戦!
・人事としてこんな課題がある!
・「心理的安全性」を体験することに価値を感じる…!
・「ダイバーシティ」「多様性」に課題感がある…!
・企業向け研修考えてみたい!
・HUG for ALLの活動に興味ある!
このような事業アイディアの種をぜひ聞かせてください。
アクションリーダー プロフィール
- 村上 綾野
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NPO法人HUG for ALL 代表理事/
京都府宇治市出身。神戸大学発達科学部卒。二度の転職を経て2004年に(株)ベネッセコーポレーション入社。児童養護施設の子どもの進学支援のボランティアをきっかけに「施設の中にいる間の支援と、施設を出てからの支援のどちらも大事」ということを痛感して、ベネッセでフルタイムで働きながら、2016年にHUG for ALLを立ち上げ、活動を開始。2021年からベネッセを週3・HUG for ALLを週4+平日夜の働き方に変えて、二足のわらじ生活を満喫中。
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