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教員の兼業。先生を社会に解き放って学校教育をアップデートする

シン・教員

実行中

更新日:2022.11.30

「先生は社会を知らない」我々教師によくいただく意見です。学校の外の世界を社会というのであれば確かに学校の先生たちは社会を知りません。

一般企業を経験してから教師になった先生もいますが、5年も経てばその経験すらも過去のものとなります。一方で教育に寄せられる期待は年々増していきます。アントレプレナーシップ教育、体験型授業、プログラミング学習に金融教育。せめて副業で社会を経験し、価値提供して対価を得る実感を持ちたいと願う先生もいますが日本の教師は副業を制限されています。これからの未来を担う子供たちの伴走者である教師たちが越境して学ぶことが難しいというのが現状です。

その状況を変えるべく、学校の先生に許可アリ兼業をしてもらえる仕組みを構築中です。

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アクション詳細

目指す社会のあり方、ビジョン

教員の正式な兼業を当たり前にする

社会が不確実で多様な生き方を許容する時代に突入しました。そんな中で学校教育にはアントレプレナーシップ、プログラミング、英語、PBL(課題解決)型授業、金融教育など新しく多様な概念が要求されています。その一方で教師の主戦場である学校の世界観は未だ昭和型のまま。この現実を、志のある先生たちとともに変えていきたいのです。

社会と教育の多様化に対応するため、有効な研修の手段の一つが「兼業」です。兼業するためには学校外の世界とのかかわりが必須になります。また、対価をいただいたうえでの兼業には責任が伴い、趣味や奉仕活動とはまた一段違った完成度での価値提供をする必要があります。そして兼業で得た対価はそのまま更なる自己研鑽の投資へと活用することが可能です。アウトプット⇒対価を受け取る⇒自己研鑽する⇒アウトプット、のサイクルを実現させたい。そうすることで持続的かつ加速度的な教員の研修が実現します。

令和2年度の教員採用試験では小学校教員の採用倍率が過去最低の2.7倍を記録しました。一方、民間企業では労働基準法の厳格化やコロナ禍の影響で待遇改善が進んでいます。「多様な働き方ができるか」「理想のキャリアを築けるか」といったことが職業選びの重要な要素になっているのです。優秀な人材に選んでもらえる職業にしていくためにも、教員の兼業は必須であるといえます。

学校の先生の副業解禁は、どことなく漂う日本社会の閉塞感を打開する一手にもなり得ます。
学校教育には社会の価値観を変容させてしまえる力があるからです。
日本の給与補償付き産育休は学校の先生たちから始まりました。女性教員の方々が産育休をとり復帰してまた教壇に立つ。このサイクルを見て育った子供たちが社会に巣立っていったことで、日本のワーキングマザーの生き方はガラリと変わりました。
同様のインパクトを、先生たちの副業解禁によって起こしたい。

多様な働き方が注目される一方で日本社会全体の価値観もまたアップデートされたとは言えない状況です。2020年度調査では民間企業でも8割近い企業が副業を認めていません。VUCAの時代にあって兼業は個人にとっても組織にとっても可能性を秘めているのに、なかなか一般的になっていないという課題があります。この状況を、教師の兼業を当たり前化することによって少しずつ変えていけるのではないかと考えているのです。

兼業をする先生を見て育った子どもたちが「自分らしく働き、生きていいんだ。大人って楽しそうだ!」そう感じて成長し、我々の社会に根差すどことない閉塞感を打ち破ってくれることを願ってやみません。

アプローチの方法

オンラインコミュニティ「シン・教員」発足

<活動内容>
・教員の兼業解禁を目指す
・教員への兼業依頼をコミュニティから発注し自治体への兼業申請を行う
・その他合法の兼業を模索する教員の越境学習の可能性を探る
・非常勤講師として働く教師たちによる自律分散型協業(先生DAO)

<活動実績>
・インタビュー会、各開催
・Gaiax社の事業への支援
・放課後コミュニティ企業への知見の提供
・教育関連企業のHP制作受注
・教育参画する企業へのSNSコンサル
・正規教員によるプロボノ活動
・教員向け不動産大家業ゼミ開発
・ビヨンドミーティング登壇
・教育関係者への取材多数
・教師のポートフォリオづくり企画

<課題>
・教師が学校の外で示せる価値は?
・教育の系の外側から資金
・社会の認知と理解(なぜ先生に副業させるのか)

今後のマイルストーン

1. 現段階で可能な兼業の実践とノウハウを蓄積
2. 企業や教育委員会と連携して先行事例を作る
3. 兼業先進自治体で好ましい成果を得る
4. 周囲の自治体も続き、最終的に法改正へ

アクションリーダー プロフィール

前田 央昭

大阪市立小学校非常勤講師
任意団体「シン・教員」代表

吉本新喜劇正座員として活動しながら、大阪教育大学に入学。卒業後は神戸市立中学校の理科教諭としてアドラー心理学をベースとした学級経営の研究を行う。育休も経験。2021年より教師の兼副業の可能性を模索するために大阪市の小学校で非常勤講師として勤務しながらフリーランスとして活動。2022年3月に教員の複業解禁を目指す任意団体「シン・教員」を設立。様々な個人、企業、団体と交流し知見と実績を蓄積。2023年4月にNPO法人を立ち上げ社会に本格的に問いかけていく。

団体/企業詳細

団体名
  • シン・教員
活動地域
  • 日本全国の兼業を志す教員たちと活動中

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