「形はワルいが、味はイイ」野菜を売ってフードロスをなくせ! 八百屋のタケシタの挑戦。
タベモノガタリ株式会社
タベモノガタリ株式会社は、味はイイのに形がワルいから捨てられてしまっていた規格外野菜を売って、産地のフードロスをなくそうとしています。
兵庫県に八百屋のタケシタという屋号で、店主が産地訪問をして厳選した野菜を規格不選別で仕入れ、販売しています。
規格外野菜によるフードロスを減らすとともに、消費者の「この人の作る野菜はおいしい」という生産者に対する信頼と、生産者の「この人たちが食べてくれる」という消費者に対する信頼を生み、その地域に密着したコミュニティを生みだすという取り組みをしています。
竹下屋は食にまつわる全ての人が支え合う、地域内のコミュニティ流通の実現を目指します。
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
皆さんは傷がついていたり、形が悪かったりする野菜や果物、売れ残ったお弁当などがどこに行くのか知っていますか?
正解は、ごみ箱です。
このように食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことを、フードロス、と言います。
世界では年間約13億トン、日本では約612万トン(消費者庁2019年推計)ものフードロスが発生しています。これは人のために作られた食べ物のうち3分の1が食べられずに廃棄されている、ということです。
このように多くのまだ食べられる食べ物が捨てられている一方、世界では食べ物がなく困っている人がたくさんいるのも現状です。
世界人口を「おいしい!」で満たす、そんな社会を目指しているのが、タベモノガタリ株式会社です。
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
皆さんは「規格外野菜」を知っていますか?
規格外野菜とは、決められた形や重量などの要件を満たさず、一般流通では出荷できない野菜のことを呼びます。
例えば、形が歪で段ボール箱にきれいに入らない、加工用の機械に入らないほど大きく育ってしまった、台風で収穫前に地面に落ちてしまった、虫食いがある、出荷前に傷がついてしまった、など流通の効率の悪さや見た目の悪さから排除されてしまった野菜や果物が該当します。
流通にとって都合が悪いというだけで、多くの農産物が捨てられてしまっているのです。
「形が悪いからという理由で捨てられる農産物のフードロスをなくしたい。じゃあ、規格がない流通を創り出そう。」
タベモノガタリ株式会社の運営する八百屋のタケシタでは、規格による選別をなくした独自の農産物流通システムを創造し、地域で作られた野菜や果物を販売しています。
アプローチの方法
竹下屋では形ではなく味を最も重視して仕入れる、「規格不選別」の仕入れをしています。
一般流通では売れない野菜も売ることによって、農家の人たちの出荷できる農産物のハードルを下げることができ、産地のフードロスを減らすことにつながります。
八百屋のタケシタでは、店主が実際に足を運んで厳選した本当においしい野菜・果物をつくる25の農家さんと直接提携をし、野菜を仕入れています。
直営店舗である名谷駅ナカ店をはじめとして、対面、宅配、飲食店への卸売りなどで販売しています。
また今後は八百屋での事業に合わせて、食品加工事業を取り入れることで、更なるフードロスを減らそうと考えています。
代表の軌跡
きっかけは、高校のときに行ったカナダ留学でした。
高校2年生のときに1年間カナダに留学。そのときのホームステイ先の家族の食べ残しの多さに衝撃を受け、
「世界の一方では食べられずに死んでいる人がいるのに世界のもう一方ではたくさん食べ物が捨てられている」
という世界の食の矛盾に問題意識を持ち始めました。
大学で国際協力を学んだのちに、農業経済の分野に進みました。
関西学院大学総合政策学部にて2年間国際協力を学んだのちに、本格的に「食」の勉強をするために神戸大学農学部へ編入し、食料環境経済学を学びます。
大学4年次を休学し、NPO法人で活動しながら食品系の2社でインターンシップを経験しました。
その活動の中で自信をつけ、起業を決意。2019年2月にタベモノガタリ株式会社(竹下屋の運営会社)を創業しました。
アクションリーダー プロフィール
- 竹下友里絵
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タベモノガタリ株式会社 社長
八百屋のタケシタ 店主
1996年生まれ。関西学院大学総合政策学部にて2年間国際協力を学んだのちに、本格的に「食」の勉強をするために神戸大学農学部へ編入。食料環境経済学を学ぶ。大学4年次を休学し、NPO法人で活動しながら食品系の2社でインターンシップを経験。ユヌス&ユー ソーシャルビジネスデザインコンテストに参加し、企業賞を3つ受賞。のち2019年2月にタベモノガタリ株式会社(竹下屋の運営会社)を創業した。
団体/企業詳細
- 団体名
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- タベモノガタリ株式会社
- 活動地域
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- 兵庫県
応援メッセージ
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とても興味深いとおもいました! レポートにまとめて、学校の多くの人に知ってもらおうと思います!
2021.01.18
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私も将来、栄養士など食に関わる仕事で環境問題を改善したいと思っています!頑張ってください!
2021.08.01
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素敵な取り組みですね!農家さんの努力の結晶を捨てることは、絶対にあってはならないことですよね。
2022.09.07
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とてもいい取り組みだと思います。
2023.01.25
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とてもいい取り組みだと思います。消費者として応援させていただきたいです。
2023.01.25
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