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スポーツビジネスにイノベーションを!自然のフィールドで行う新領域「アーススポーツ」の挑戦

株式会社Pioneerwork

実行中

更新日:2023.09.04

株式会社Pioneerworkは、「アーススポーツ」を事業ドメインとして、スポーツと観光の事業を行っています。

アーススポーツとは、自然のフィールドで行うスポーツのことで、僕たちが独自に定義しました。スキーやスノーボード、登山、サイクリング、ランニング、サーフィン、カヤック、マウンテンバイクなどを含み、自然を求めて地球を旅しながら行う側面ももっています。

事業としては「アースホッパー」という、全国のスキー場、マウンテンバイクトレイル、キャンプ場、ウェイクサーフィン施設など40以上の施設が利用できる定額パスを販売しています。昨年は1年間でのべ5万人をスキー場に送客しました。

他にも、アーススポーツを活用して地域活性したい自治体へのコンサルティング事業や、自然の中で安全に楽しめる道具や地域についての情報提供を行う事業も現在構想中です。

キーワード

アクション詳細

目指す社会のあり方、ビジョン

アーススポーツが楽しめる世界を作り、
スポーツビジネスにイノベーションを起こしたい

アーススポーツの「アース」には、「地球の自然環境の上で遊んでいるんだ」という感覚を伝えたいという願いがあります。事業であるアースホッパーも、提携施設全体を1つのスポーツジムだと捉えてジムの会員券のようにライフスタイルの一部に組み込んで遊び尽くしてほしいという思いを込めました。「スポーツ」という言葉は、反復することで上手くなっていく特性を大切にしたいという考えから使っています。

今、大企業の多くはスクリーンやVRデバイスに人を固定するような事業をしていて、将来的には人間の生活の7~8割はデジタルの世界で、リアルな世界は2~3割ぐらいになるのではないかと予想しています。それは人間の健康にも地球環境にも、良いことだとは思えません。スクリーンの前に固定させようとする強力なインセンティブに逆らう力をつくり、2~3割のリアルな世界がもっと楽しくなる事業をしたいと考えています。

ロードバイクからマウンテンバイクなど、自然に入っていくための道具はすごいスピードで進化していて、情報もスマホで簡単に手に入るようになっています。Pioneerworkは、これらをもっと多くの人が利用でき、より安全に楽しくアーススポーツが楽しめる世界を作っていきたいです。

設立の背景

幼い頃から冬は父親の別荘のある長野県白馬村でスキーをしていました。大学院時代はスポーツビジネス研究でスイス留学をした経験があります。

電通に入社し、営業職等を経て、自分の趣味を活かして新規事業開発を行う部署に所属し、「フリーライドワールドツアー(FWT)」というスキーとスノーボードの世界大会を2017年に白馬村に誘致しました。

2015年の3月に、FWT創業者で会長のNicolas Hale-Woods(左)と後藤さん(右)

アーススポーツのフィールドとしての日本の価値に気づいたのは、2015年のことです。白馬の雪山の写真を海外のスキー選手に見せると「これはアラスカか?」と聞かれました。日本の自然環境は驚くほど知られていなかったのです。

考えてみると、日本には四季があり、山も海も川もあり、あらゆるアーススポーツが楽しめます。しかも、東京や札幌などの都市圏から1~2時間以内で行けるフィールドが多くあります。スキー場は天然の良質な雪に恵まれています。今後、世界経済の中心となるアジアの中で、日本は最も価値の高いコンテンツを提供できる国だと確信していました。

▲白馬の雪山

その後、電通で働きながら、スイスに本社のあるFWTの日本支社を立ち上げました。2回の世界大会誘致を成功させた後、2018年2月に電通を退職。広告代理店でスポーツビジネスというと、スポンサー獲得による資金調達が一般的ですが、そのビジネスモデル自体にイノベーションを起こしたいと思ったからです。

退職後は、FWT日本支部マネージングディレクターとして働きながら、東京都が主催するスタートアップコンテストTOKYO STARTUP GATEWAY2019(以下TSG)にエントリーし、セミファイナリストに選ばれました。

日本のアーススポーツのポテンシャルを最大限引き出すためには自分の会社を作って、FWTも引き継いで、他の事業も展開したいと考え、2019年11月、株式会社Pioneerworkの設立に至りました。

 

TOKYO STARTUP GATEWAY2019での後藤さん

起業直後はコロナ禍で壊滅的ダメージを受け、できることが少ない中で地方自治体のコンサルティングを開始。2021年には温めていたアースホッパーの事業を仕掛け始めました。

日本のスキー産業は30年前の3分の1の規模になり、最後の希望のインバウンド事業もストップし、業界全体が何かやらなきゃという状況でした。「今なら会社や地域の壁を越える事業提案を聞いてもらえる」と思い、国内約60箇所のスキー場にアプローチしたところ、30箇所に参画していただき無事にアースホッパーの商品ができました。

他にも、TSGで発表した「スポーツの隠れた逸材を観光市場×データ活用で輝くヒーローに」というプランを実現するべく、新サービスも構想しています。日本の自然の魅力を世界に伝えるために、新しいアーススポーツエコシステムを作っていきたいと考えています。

アクションリーダー プロフィール

後藤陽一

株式会社Pioneerwork 代表取締役/TOKYO STARTUP GATEWAY2019セミファイナリスト
京都大学工学部卒、同大学経営管理大学院修士課程卒。在学中スイス・ローザンヌ大大学院にて欧州サッカーをテーマにスポーツマーケティングを学ぶ。2011年株式会社電通入社。地方テレビ局、自動車メーカーを担当後、電通総研にてアクションスポーツ・エクストリームスポーツを専門に、企業や自治体のアドバイザリー・コンサルティングを手がけた。2014年より、世界最大のフリーライドスキー・スノーボードの世界選手権「Freeride World Tour(FWT)」の長野県白馬村への誘致を開始。2018年からスイス本社以外では唯一の社員として同社のアジア事業を統括。国連世界観光機関(UNWTO)山岳リゾートカンファレンス2015パネリスト。2019年に株式会社Pioneerwork設立。

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