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日本発!! 眼科診断AIの開発による 世界の失明と視覚障害の根絶への挑戦!!

OUI Inc.(ウイインク)

実行中

更新日:2021.11.15

世界の失明と視覚障害の人口は22億人と言われており、治療法を改善しない限り、今後30年間で失明人口は4,330万人(2020年)から1億1,500万人(2050年)に増加すると予測されています。その原因は、低中所得国における眼科医の数が非常に少なく、農村部をはじめとする医療過疎地域に十分な眼科診療が届いていないことです。

眼科医としてこの社会課題を解決したいと考え、眼科医療機器Smart Eye Camera(以下SEC)の開発に取り組み始めました。SECはスマートホン(スマホ)のカメラに取り付けることで眼科診察に適切なスリット状の光を作り出し、眼の画像を撮影できる医療機器です。低中所得国でもスマホはかなり普及しているため低コストでの画像診断が可能になります。SECのインストラクターの育成や現地の眼科医ネットワークも同時に構築しながら継続可能なモデルを作り、治療まで行うことが目標です。

キーワード

アクション詳細

目指す社会のあり方、ビジョン

OUI Inc.は、2025年までにSECを通じて4,330万人と言われる世界の失明人口を半分に減らすことをビジョンに掲げています。失明原因の半分は白内障であり、白内障は適切な診断と治療で克服できる疾患です。この事業で構築しようとしている新たな眼科診断モデルが普及すれば、十分に実現可能な数字だと思います。

また、農村部の人々が診断を受けることでデータが溜まっていくので、これまでブラックボックス化していたものが見えるようになってきます。事業を始めるきっかけとなった、国際医療協力プロジェクトのような取組も、こういったデータに基づいて行えば、より戦略的なアプローチが可能になるはずです。

1人が失明することによる経済的損失は400万円とも言われています。世界の失明人口を半減させられれば、720兆円もの損失をなくすのと同じ効果が期待できます。SECの普及は、患者個人のQOL改善だけではなく、経済的にも世界的なインパクトがあると考えています。私達がOUI Inc.を創業したのは眼科医になって3年目のときでした。この事業を世界に広められれば、私たちのような若手の眼科医でも、世界を変えるようなパラダイムチェンジを起こせるのではと信じています。

現状とビジョンのギャップ、課題の構造

ベトナムを訪問した際、眼科医療に多くの課題があることを知りました。現地では無償で白内障手術等が行われていたのですが、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡という、世界の眼科で100年前から使われている、非常に重要な機器がありませんでした。内科で言えば、聴診器がない中で診療している状態です。現場ではペンライトで眼に光を当てて診ているのですが、電池も粗悪なものを使っていてすぐに電池が切れてしまっていました。

問題は他にもあって、低中所得国では眼科医の数が非常に少ないことです。日本には1万5千人の眼科医がいて、人口10万人に対する眼科医数は約10人(※)ですが、ケニアは5,000万人に対して150人(人口10万対医師数0.3人)、マラウイに至っては1,800万人に対してわずか14人(人口10万対医師数0.08人)しか眼科医がいません。
参考:
https://www.gankaikai.or.jp/info/bunpu_H22.pdf

しかもそのほとんどが都市部の富裕層向けに開業しているので、農村部には十分な眼科診療が届いていないのが現状です。医師ほどの専門性や知識をもたない人が、十分な医療器具のない中で手術も含めた医療行為を担っているという地域も多く、生まれてから眼科にかかったことがない人や、歳をとったら目が見えなくなるのが当たり前だと思っている人も少なくありません。

世界の失明と視覚障害の人口は22億人と言われていて、治療法を改善しない限り、今後30年間で失明人口は4,330万人(2020年)から1億1,500万人(2050年)に増加すると予測されています。

世界の失明の最大の原因となっている病気は白内障です。白内障は加齢とともに誰もが100%罹患する疾患で、治療によって視力を回復させることが可能です。治療すればまた見えるようになるのに、医療にアクセスできないがために失明してしまう人がこれだけいるということは、個人の生活の質を考えても見逃せないことですし、経済的にも大きな損失を招きます。

こういった社会課題を目の当たりにして、、眼科医として医療の届いていないところに医療を届けられる事業をやりたいと思い、OUI Inc.で眼科医療機器Smart Eye Camera(以下SEC)の開発に取り組み始めました。

アプローチの方法

今後のマイルストーン

現在は、日本医療研究開発機構や世界銀行グループの国際金融公社等の支援も受けながら、アフリカや東南アジアなど、各国で現地の医療機関と協働したパイロットプロジェクトを実施中です。

SECを紹介すると、現地の先生が100%「これいいね!」と言ってくれます。日本でも離島の先生に使ってもらっており、本当に喜んでもらえることが多いです。そういった先生方の声や、患者さんがよくなったという話を世界中から聞いて、道のりは険しくとも、目指す方向は間違っていないと確信しています。

アクションリーダー プロフィール

清水 映輔 

OUI Inc.(ウイインク) 代表取締役/
慶應義塾大学医学部卒。眼科専門医。医学博士(同大学にて取得)。専門はドライアイ。2016年にOUI Inc.を創業。国際医療支援活動の際に発展途上地域における眼科診療の問題点を発見し、その解決策としてSmart Eye Cameraを開発実用化。他にも動物モデルを使用した基礎研究も行う。

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