限界集落から豊かな循環型社会を目指す
一般社団法人はまのね
実行中
更新日:2018.11.27
震災により残った民家は4戸、住んでいるのは2世帯となってしまった石巻市牡鹿半島の蛤浜。かつての風景は二度と戻らないけれど、蛤浜が蛤浜らしく存続していくことを目的にスタートしたのが「蛤浜再生プロジェクト」です。「暮らし」「産業」「教育」の3つを柱に、カフェや宿、物販、ギャラリー、自然学校、マリンレジャー、ものづくりなど、様々なプロジェクトを展開しています。
想いだけではじめた活動は、“cafe はまぐり堂”を起点に年間1万5千人の交流人口を集めるまでになりました。さらには、共にチャレンジする仲間にも恵まれ、間伐からはじめる家具づくりや、SUP(スタンドアップパドル)、カヌー、BBQなどのアクティビティを稼働させ、狩猟や漁業についても六次産業化を目指して動きだすまでになっています。
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
小さくても豊かな暮らしを築く。
「限界集落」と呼ばれる蛤浜の現状は、現在日本の至る所で課題となっています。漁業や農林業、狩猟などの一次産業を、より魅力ある産業へと変革していくことにより、なりわいが増え、交流・関係人口が増えていくことに繋がると信じています。小さくても本当の豊かさを実感できる浜にしていきたいと考えています。そのためには、ただただ交流人口を増やすのではなく、地元の人々とこれまで以上に対話を続け、地域の諸課題を「一緒に」解決していく道を進んでいきたいと思っています。
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
蛤浜だけでなく、地方には自然環境や人のつながりなど豊かな暮らしが残っています。しかしながら、経済の発展とともに人々はそこの暮らしから経済性や利便性を求めて離れていきました。経済性は必須ですが、豊かにいきていくためには文化と経済のバランスをどう保つかが重要であると考えます。また、都市が作り上げている時代のスピードと自然とともにいきてきた住民とのスピード感のギャップをどう埋めるか、この地に関わってくださる方皆に豊かさと幸せを感じられる場所を模索していきたいと思います。
アプローチの方法
様々なアプローチで、小さくても豊かな暮らしを築けるよう取り組んでいます。
1. カフェ運営
地域で獲れた旬の食材を使った料理を提供することにより、一次産業を支えます。また、ここで働きたいと思ってくれる若者がUターンやIターンで就業しており、雇用創出の一翼を担っています。
2. 物販・ギャラリー(現在閉鎖、カフェ内に併設)
県内の作家が制作したハンドメイドの雑貨や衣類、アート作品等を販売することにより、地域内でも経済が循環する仕組みづくりを行なっています。
3. マリンレジャー
カヌー、SUPなど、インストラクターがついて安心安全なツアーを提供しています。手ぶらでマリンレジャーを楽しめて、そのまま浜で採れた食材を使用したBBQを楽しめます。
4. 間伐材の家具づくり
浜内で昔から植林されていた杉を間伐し、その間伐材を活かしたオリジナルの家具作りを行っています。地域資源を余すことなく使えるだけでなく、山を整備することは海の環境を保全することに繋がっているなど、環境について考えるきっかけづくりになればと考えています。
5. 鹿の解体処理施設づくり
2018年11月現在、クラウドファンディングで建築費用を募っています。様々な要因によって近年、地域に暮らす鹿が増えたことで、私たち人間にとって都合の良くない状況が生まれていました。生き甲斐にしていた家庭菜園を辞める人。下草が食べ尽くされて土砂流出が起こるほどの状態になった山々。頻発する鹿との交通事故。一晩にして食い尽くされる植林したアーモンドの木。「獲らなくて良いなら獲らない方が良いけれど浜での暮らしを考えると、鹿を捕獲せざるを得ない。でも、せっかく獲るなら肉を食べ、皮や角を利用して、その命をきちんと活かしたい。」と考えるようになり、解体処理施設をつくることを決意しました。
今後のマイルストーン
- 2020年までに現在取り組んでいる事業を収益化する。
- 2025年までに新たな暮らし(二拠点、他拠点居住)の仕組みをつくる。
- 関係人口を100人増やす。
アクションリーダー プロフィール
- 亀山 貴一
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1982年、石巻市蛤浜出身。宮崎大学と石巻専修大学で水産を学び、震災前までは宮城県水産高校で教師として勤務。2013年に退職し、一般社団法人はまのねを立ち上げ、プロジェクトの活動に専念している。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 一般社団法人はまのね
- 連携パートナー
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- 一般社団法人おしかリンクなど
- 活動地域
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- 宮城県石巻市
応援メッセージ
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頑張れ
2021.05.07
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