LGBTの子ども若者の居場所を全国に広げたい

一般社団法人にじーず
アクション詳細
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
日本の子どもの死因の一位は自死です。さまざまな調査ではLGBTの子ども若者の自死を考える割合や自傷行為の割合が一般人口よりも高いことが指摘されています。周囲の無理解や偏見をおそれて、友達にも親にも本当のことが言えない、「こんなことで悩んでいるのは自分だけだ」と相談もできない、不安や孤立が生じてしまう環境がまだまだあります。昨今LGBTという言葉は知られるようになりましたが、当事者の子どもや若者にとっては悩みはつきないのです。
大人のLGBTコミュニティはこれまで都市部に集中し、参加費がかかり(お酒が出る場も多いです)自分の性に迷い始めたばかりの未成年にとっては参加しやすい場ではありませんでした。インターネットに救いを求める若者には、性的搾取のために近づく大人が多いことも課題となってきました。
無料で、どの地域に住んでいても利用できて、中高生ならではの話題(成績が下がったとか、部活で頑張ったとか)が当たり前にできる中で、LGBTである自分も隠さないでいられる場所、のびのびとアイデンティティを模索できる場所が必要と考え、にじーずは全国各地で毎月1回を基本とした居場所事業を行っています。
アプローチの方法

10歳から23歳までのLGBT(かもしれない人を含む)が安心して遊んだり話したりできる居場所を各地で開催しています。2023年1月時点では札幌から岡山まで、全国9拠点で毎月または隔月1回の居場所を開催しています。それぞれの拠点は地元の青少年施設(ユースセンターなど)との関わりも大切にしており、例えば札幌では札幌市若者支援センターYouth+さん、京都では京都市南青少年センターさんと協働しながら活動しています。安心して過ごせる場所を求めているユースにとっては、月1回のにじーずが開催日以外でも過ごせる場所が重要で、毎日空いているユースセンターの存在はさまざまな困りごとを相談できる場所としても心強い存在です。
居場所事業の開催と併せて、にじーずでは既存の青少年支援施設の職員に向けた性の多様性についての研修やコンサルテーション、地域の方々に向けた啓発事業も行っています。
これまでの活動実績
「仲間が増えた感じがする、勇気が出ました」

2016年8月の発足から2022年末まで、にじーずの居場所事業には約2500名の子ども・若者が参加しました。家庭の中でも孤立しやすい当事者たちが、さらに孤立を深めることのないようコロナ禍でも対面での開催を続けてきました。
参加者の多くが、にじーずに来るまで自分と同じような当事者と出会う機会がなく(正確には「出会っていてもお互いに明かしていないので、そのように認識できないでいる」のですが)「初めて行ったときに、人が沢山いるのを見ただけで、自分だけではないのだと安心できた」「仲間が増えた感じがする、勇気が出ました」などの利用者の声が寄せられています。
必要なリソースや提案したいこと
協働に関心のある青少年施設さんを探しています
安心して自分のことを話せる居場所を求めているLGBTの子ども・若者が全国各地にたくさんいます。「ウチの施設でも、LGBTの子ども・若者が安心して使えるような場所にしたい」という青少年施設さんがあればぜひご連絡ください。
にじーずではこれまで既存のユースセンター(青少年施設)と協働しながら居場所の運営を行なってきました。札幌では札幌市若者総合支援センターYouth+さん、京都では京都市南青少年センターさんと協働で、居場所事業を継続して開催しています。居場所での協働以外にも、職員研修や施設へのコンサルテーションも行っています。日頃の施設運営で工夫できるところを一緒に考えていくこともできますので、ぜひご連絡ください。
一緒に参画いただける方募集中!
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寄付
LGBTの子ども若者の居場所を寄付を通じて応援する!
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プロボノ・ボランティア
協働してくださる青少年施設の方を探しています。ぜひご連絡ください
アクションリーダー プロフィール
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遠藤 まめた
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一般社団法人にじーず代表/
トランスジェンダー当事者としての自らの体験をきっかけに2005年よりLGBTの子ども・若者支援に関わる。2016年ににじーずを東京で立ち上げ、以降各地でもLGBTの子ども若者の居場所ができるよう日々尽力中。近著に『教師だから知っておきたいLGBT入門』(ほんの森出版)、『みんな自分らしくいるためのはじめてのLGBT』(ちくまプリマー新書)ほか。埼玉県性の多様性に関する施策推進会議委員。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 一般社団法人にじーず
- 活動地域
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- 札幌、埼玉、東京、新潟、京都、大阪、神戸、岡山
応援メッセージ

- 作家 李琴峰
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10代から23歳という、人生で最も不安定で、セクシュアリティゆえに孤立しがちな時期に、そんな居場所があればどれほど心強いでしょうか。自分が子どもだった時にそんな居場所があったらどんなによかったのだろう、と思わずにはいられません。