山と、人と、食卓を繋ぐ。―自然と共生してきた日本の漆文化を暮らしの中に再提案する
漆とロック株式会社
“漆器”は縄文から現代まで、日本人が繋いできた暮らしの智恵。
木の温もりと漆の優しい肌触り。使い込む程に器が育ち、長年使って少し疲れてきたら、塗り直しをして次の世代に受け継いでいく。自然と共生してきた「木の国の民」である私たちの基層文化です。
私たちは、400年の伝統を持つ会津漆器を中心に2013年より漆のガイドツアー「テマヒマうつわ旅」を展開。2015年、世代を超えて受け継いでいく漆器「めぐる」を販売開始。同年、グッドデザイン賞とウッドデザイン賞・審査委員長賞を受賞。NPOや市民と連携し会津産漆の再生活動にも取り組んでいます。
漆とロックは「伝え手」として、作り手と使い手の間を繋いでいきます。
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アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
「みんなが作る人になる。」
これが、私たちの目指す社会です。
大量生産・大量消費・大量廃棄社会の中で、作る人と使う人は分断され、双方の顔が見えなくなってきました。
でも、本当は、使う人が何を選ぶか、どう選ぶかで、なにが作られるかが決まっていきます。
そう考えると、本当はみんなが「作る人」なんです。
漆とロックは、素材や自然、作る人、使う人をもう一度繋ぎ直しながら、みんながもう一度、「より良く作ることを育む人」になっていく社会を目指しています。
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
漆器は、自然と共に生きてきた日本人の暮らしの道具。しかし今や、原料である漆の国内生産量は僅か2%。鉋(かんな)や刷毛(はけ)などの道具を作る工房も国内にそれぞれ2軒ほど。産業全体の売上は最盛期の約1/7に減少。漆器を自分で買ったことのない若い人は8割。これは誰かのせいではなく、みんなの課題。「早く・安く・便利に」を追求してきた社会の中で置き忘れてしまった本当の豊かさ。だから、もう一度、山から食卓までを繋ぎ直したい。そのような思いで活動しています。
アプローチの方法
「めぐる」は、漆とロックが展開する会津漆器の新ブランドです。
飯椀・汁椀・菜盛り椀がきれいに重なる三つ組の器「水平(すいへい)」と「日月(にちげつ)」は、心地よい口当たりや抱きあげたくなる優しいかたちを追求するため、暗闇の中で対等な対話の場を作る体験型プログラム「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」とコラボレーションし、触覚に優れた“目を使わずに生きる女性たち”の感性をデザインに取り入れました。
素地には国産の栃の木を、上塗りには上質な国産漆を使い、会津漆器の腕利きの職人たちが正統な技法で作る本物です。 消滅が危惧されている国産漆を守るため、売上の一部は会津でのウルシの木の保護・育成活動に活用されます。永く使っていただけるよう将来のお直し(修理や塗り直し)にも対応しています。
親から子へ、そして孫へ。いのちが巡るように旅をする器です。
漆器「めぐる」公式サイト → http://meguru-urushi.com/
アプローチの方法(その2)
食卓の源流を旅しよう。
「テマヒマうつわ旅」は、五感で本物に触れる、漆器工房ガイドツアーです。ウルシの林(植栽地)の案内からはじまり、木地師・塗師・蒔絵師という各工程の工房を巡って見学や制作体験ができます。
工房の空気を胸いっぱい吸い込み、うつわが生まれる瞬間に目を奪われ、職人さんの言葉にゆっくり耳を傾ける。
そんな体験の機会提供を通して、漆器のファンを増やし、作る人と使う人を結び直しています。
専用サイト → http://tematrip.com/
一緒に参画いただける方募集中!
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寄付
私たちにとって、漆器を購入して支援いただくことが何よりの力になります!
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連携メニュー(法人・団体)
食と器をテーマにしたイベントを一緒に開催しましょう!
アクションリーダー プロフィール
- 貝沼 航
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漆とロック株式会社(Urushi Rocks Inc.) 代表
1980年福島県福島市生まれ。東京の大学を卒業後、会津若松市に移住。サラリーマンをしていた25歳の時に、縁があり訪れた工房で漆器づくりの現場に魅せられ、職人さんたちを応援したいと会社を辞めて起業。2015年、世代を超えて受け継いでいくことをテーマにした漆器ブランド『めぐる』を販売開始。同年、グッドデザイン賞とウッドデザイン賞・審査委員長賞を受賞。また、木と漆という自然の素材の魅力や職人さんたちの手仕事の意味を実際に現場で体感してもらう産地ツアー「テマヒマうつわ旅」を展開。会津で国産漆の植栽活動に取り組むNPOの副代表も務める。漆と人を繋ぐコミュニケーターとして、全国をまわり漆器のある暮らしの豊かさについて講演やイベントも行っている。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 漆とロック株式会社
- 活動地域
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- 福島県会津若松市を中心に活動
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