現状とビジョンのギャップ、課題の構造

学生時代、先生によって授業の好き嫌いがあった人はいるでしょうか。 また、「先生が変わってから勉強がわかるようになった」ということを経験した人はいるでしょうか。 私たちは、これを先生・生徒間の価値観および認知特性の不一致によるものだと考えています。 勉強の価値を何に見出すかは、生徒によって様々です。 試験の得点を上げること。仕組みや背景を理解すること。覚えた知識が繋がりを持つこと。 それぞれに楽しさや嬉しさがあり、学習を継続する動機になり得ます。 また、「どのように物事を把握、理解しているか」という認知の能力にも、個々人には差があると言われています。 しかし、これらの価値観や認知能力が、先生の想定と大きく乖離していた場合、 受け取れるものは大きく変質してしまいます。 現在の公教育では、これらのギャップを埋めることはできません。一人の先生が超人的に頑張っても、 その教室や学校がカバーできる限界になってしまうでしょう。 発展著しいディープラーニングを学習に用いても、不足している知識を推測することは可能ですが、 生徒によって伝え方を変えることは、残念ながら難しいようです。 人間による教授は、単なる知識の伝達ではなく、先生自身の価値観、経験、想いを丸ごと生徒に伝えるもので、 それは時代がどんなに進んでも、誰かにとって価値を持つものです。 必要なのは、生徒に合った先生のマッチングです。 そのためには、すべての生徒がすべての授業へ到達できる手段を設けなければなりません。

アプローチの方法

• 「先生」を増やす

先生とは、一体なんでしょうか。 私たちは、生徒が持たない何かを伝えることができれば、それは立派な先生であると考えています。 本来、知識や経験を伝達することは、一部の人々に限定されるものではありません。 教職の過酷な待遇により、職業教師の道を諦めてしまった人。 伝えたいものがあるのに、人前に顔や声を出すのに抵抗がある人。 学問への高い興味や適性を持っていたのに、それらを生かせず職業人生を終える人。 そうした人のすべてが、素晴らしい先生になれる可能性を秘めています。  

• 質を高める

とはいえ、いきなり授業を行っても、なかなか生徒に響くものにするのは難しいでしょう。 意図しない誤りや不適切な表現を含んでしまうかもしれません。TERACONNECTでは、授業レビュー機能によって、先生たちが相互に意見を交換し、 洞察を深めて質の高い授業を送り出せる仕組みを設けます。 また、授業を即座に編集・更新できることも非常に重要です。 従来の動画授業では、数十〜数百メガバイトの動画ファイルを保管し、編集していました。 専用ソフトによる動画の編集は手間が大きく、一定のノウハウを必要とします。 その結果、作成された多くの動画が、最新の知見やカリキュラムの変更を反映することなく、 放置されるようになりました。 TERACONNECTは、文字や声、画像などの必要な部分のみを即座に更新し、再配布することを可能にします。  

• 「Deep Learning」「VTuber」ブームによる技術革新の利用

仮想キャラクター（アバター）を通じて授業を行うコンテンツは、いくつか存在しています。 しかし、個人がそれらを制作するには、技術的に高いハードルがありました。 近年、VR/ARブームによって、簡単にアバターを作成することのできるソフトや、 Googleによるポーズ検出ソフトなどが次々に発表され、 誰もがアバターを通じてコミュニケーションを取れる時代が到来しました。TERACONNECTでは、これらの最新技術を利用し、質の高い授業を作り出せるプラットフォームを目指します。