難民となった人々の健康増進に貢献したい!
特定非営利活動法人メドゥサン・デュ・モンド ジャポン(世界の医療団)
私たち世界の医療団は世界中で人々の医療保健サービスへのアクセスや健康の増進、健康の権利の向上を支援しています。
私たちは隣国ミャンマーからバングラデシュに逃れてきたロヒンギャ難民への支援も行っており、現在は高血圧、糖尿病といった非感染性疾患の予防と管理についての啓発活動を実施しています。現在、世界中で非感染性疾患が人々の主要な死因で、バングラデシュでも全死亡のうち67%が非感染性疾患によるものです。
ロヒンギャ難民キャンプは人口密度が高く、人々が健康な生活を送るのには厳しい環境ですが、いまだ彼らが故郷のミャンマーに帰れる見通しはありません。このような状況でも、一人でも多くの人々が何とか健康を維持・増進していくことを支援したいと、私たちは難民のボランティアとともにがんばっています。
「誰一人取り残さない」とのSDGsの理念を基盤に、ロヒンギャ難民とともに歩み、支援を続けたいと思います。
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アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
医療サービスへのアクセスを阻むいかなる障壁も存在しない世界、医療へのアクセスが一人一人の権利として確立している世界を希求します。
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
- 難民支援の長期化により非感染性疾患(NCDs)予防対策へのニーズが増大しています。
- 他方、難民支援のための資金調達が困難となってきており、NCDs対策は未整備です。特にスクリーニングにかかる資機材および薬剤不足は顕著です。
- 全死因に占めるNCDsの割合が高い可能性があります(統計上では「Others」が半数以上を占めているが未調査のまま)。
- 保健医療サービス提供者自体がNCDs予防や管理の重要性を十分に理解できておらず、サービスの質が改善されていません。
- 難民のNCDsに関する情報へのアクセスが限られています(とくに女性)。
- 難民にとって生活習慣とNCDsの因果関係、または慢性疾患の概念(病気は治癒するのではなくうまく付き合っていくもの)が理解しづらいです。
- 若年層への教育機会が欠如しています(噛み煙草などは若いうちに習慣化されることが多い)。
アプローチの方法
当事者であるロヒンギャ難民のボランティアが同じ難民の人々にNCDsの予防・管理についての啓発を行い、診療サービスにも繋げます。
これまでの活動実績
・一次保健医療サービスへのアクセス促進のためのアウトリーチ活動事業:
難民流入直後にてキャンプ内の医療体制が十分に整備されておらず、医療につながるべき脆弱な立場にある人々が医療に繋がれない状況があった。医療につながるべき脆弱な立場にある人々(①妊産婦、②5歳未満の子どもとその母親、③出産可能な年齢にある女性、④高齢者)に対し、アウトリーチを行い、健康状態をアセスメントし、必要であれば医療機関へリファーを行った。
・保健衛生問題と災害に対するコミュニティ・レジリエンス支援プロジェクト、ユースを中心とした居住者の保健衛生管理能力向上プロジェクト:
キャンプ内の医療体制は整いつつあったが、支援の偏りが目立ち始めた。身体的に健康である若者に対する支援は十分でなく、多くの若者は無為に過ごす状況であった。そのような中、犯罪に巻き込まれたり、早婚によって若年出産やDV被害にある者も少なくなかった。ユースをコミュニティで健康教育を行う保健人材として育成し、それぞれの地域の現状に即した保健衛生問題についての啓発活動を実施した。本事業は啓発活動に加え、ユースのライフスキルを高め、地域における役割や居場所を提供することで自信や自尊心を育み、パーソナリティの成長を促すという教育的支援の側面もあった。
・COVID-19に関連した健康リスクに対するコミュニティのレジリエンス強化支援プロジェクト:
キャンプ内でもCOVID-19の感染が蔓延、感染リスクがひときわ高いキャンプ内においては迅速なCOVID-19予防対策への支援が望まれた。保健ボランティアによるコミュニティベースの個別訪問による健康教育によりCOVID-19予防啓発を実施した。
アクションリーダー プロフィール
- 中嶋 秀昭
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新聞記者等を経て、NGO職員・JICA専門家として内戦下のネパール、スリランカ北部、インドネシア(アチェ)、リベリア、南スーダン、パキスタン等に駐在、主に(母子)保健関連の支援事業を監理。2020年、世界の医療団日本に入職。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 特定非営利活動法人メドゥサン・デュ・モンド ジャポン(世界の医療団)
- 活動地域
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- バングラデシュ、ラオス、日本
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