”笑顔がこぼれる農業”で、農家の多様なスタイルや文化を創る
株式会社カトウファーム
実行中
更新日:2020.06.03
アクション詳細
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
私たちが生きていく上で大切な“食”を支える農業において、人材難や後継者不足が続いています。
東日本大震災以降、福島県では、県産の農作物の美味しさと魅力を、農家連携を図りながら発信してきました。また、農業=キツイ・汚い・かっこ悪いというイメージや価値観を払しょくするため、作物が生産される過程や農家の想いに光を当て、“かっこいい農業”が発信されています。
しかし、私たちは「『かっこいい』だけでは農業に人は集まらない」と考えています。農業を一から始めるには、土地や機械を手に入れるという大きなハードルがあります。また、業務が想定と違っていたなどの理由で新規就農研修生の高い離農率も社会問題になっています。かっこよさや憧れだけで農業を始めるのではなく、農業をやる意味ってなんだろう?自分の働き方や希望に合うのか?を大切にしてほしい。それに気づく、知るきっかけとなる農家や発信のあり方をつくっていくことが私たちの課題です。
アプローチの方法
私たちは、お米「天のつぶ」のほか、大麦やホップ、オーガニック野菜を栽培しています。
そのなかで、私たちは、社会における農家の責任や厳しさ、そして農業と作物と向き合うことで得られる何ものにも代えがたい喜びと楽しさの両面をオープンに発信し、そして地元との連携を深めながら、チャレンジしていく農家として変化を生み出していきます。
- “フリースタイル農家”としての発信
農作業にこだわらず、農家の暮らしのなかで気づく発見や新たな食との出会いを楽しむ“フリースタイル農家”として、SNSやブログで楽しく発信しています。「カトウファームって面白い!」と、そのきっかけから、農家にはさまざまなスタイルがあること、方法次第で自分の生活スタイルやペースで楽しく暮らせることを知ってもらいたいと思っています。 - 飲食店との高いコミュニケーション
これまで、生産販売過程において、飲食店と農家が交わることはそう多くありませんでした。しかし、飲食店の中には「自分で自信を持ってお客様に勧められる地元の食材を使いたい、直接農家から仕入れたい」というニーズがありました。私たちはそのことに気づき、飲食店とのコミュニケーションを大切に、各飲食店のメニューや要望を細かに聞き取り、それに合わせた食材を生産し、お届けしています。さらには、こうしたつながりを活かし、地元の生産者・飲食店と連携した食の発信イベントやプロジェクトを創っています。 - 生産者同士をつなぐ、まちとまちの架け橋に
東日本大震災で津波・原発事故の被害を受けた浜通りの南相馬市で面白いチャレンジをしよう!と、仲間とともにクラフトビールの製造を始めるため、3年前から南相馬市で国産大麦とホップの栽培を行い、現在は中通りの福島市に醸造所をつくっています。この醸造所では、浜通りや中通りの垣根を越えて生産者同士やまち同士がつながりあうコミュニティをつくることをめざしています。
今後のマイルストーン
南相馬市で栽培した大麦とホップを使ったクラフトビールのブルワリー&タップルームはもうすぐ完成です。
- 醸造&タップ部屋 yellowbeerworks
https://www.instagram.com/yellowbeerworks/
私たちは、農業経営者を増やすことを目的に、ゆくゆくは次世代を育成・支援する立場になることをめざしています。自分たちで粛々と続けてきた農の営みや発信が、一過性で終わるのではなく、継続していくことで、農家の多様なスタイルが文化になっていくと信じています。「おいしい」を創るだけではない、暮らしもコミュニティも自分たちでつくっていく動きや変化をこれからも起こしていきます。
アクションリーダー プロフィール
- 加藤 晃司・絵美 (かとう こうじ・えみ)
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「ふくしまから笑顔になれるお米を届けたい」
2009年、祖父の跡を継ぐために脱サラをして就農。福島県福島市内で米農家を営み、福島県が15年かけて開発したブランド米「天のつぶ」を中心に栽培している。2018年2月、カトウファームは国際標準の生産工程管理を行う生産者であることを認証するグローバルGAP(Good Agricultural Practices)を取得。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 株式会社カトウファーム
- 活動地域
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- 福島県/福島市
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