子どもたちに多様な選択肢と「生きる力」を
特定非営利活動法人浜わらす
2011 年3 月11 日 東日本大震災。その2 年後の2013 年7 月、 「浜わらす」の活動は気仙沼市本吉町大谷地区にて始まりました。 津波の体験で小さな胸に深くて重い傷を 負ってしまった子どもたち。
海岸線は津波で破壊された上、 復旧復興工事のため簡単には子どもたちが海に近づけない状態になっています。 津波が起こったからとはいえ、 せっかく海の目の前で育った子どもたちが「海を知らずに育つ」のはもったいない。 そうだ、 やっぱり子どもたちと海で遊ぼう! 海で暮らすことを楽しもう! そんな想いから生まれた小さな活動です。
はじめは海を怖がっていた子どもたち。砂浜を走り、浅瀬で泳ぎ、海を肌で感じ遊ぶことで、「やっぱり海が大好き!」と喜んで参加してくれるようになりました。
※「わらす」とは、気仙沼・東北の方言で「子ども」という意味です。はまわらす =浜の子ども
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
子どもたちが多様な選択肢を持つことができて、生きるすべを身につけられる社会。
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
小学生の子どもたちには海での遊びを通して関わることができるが、中学に上がると部活動などで忙しくなり途端に接点を持てなくなってしまう。ここについては強化する必要があると感じています。
アプローチの方法
■ 子ども支援
はまわらすは「くう・とる・あそぶ」を通じて、子どもたちと以下のことに取り組んでいます。
1. 子どもも大人も「海の暮らし」を大いに楽しむ!
2. 浜に伝わるたくさんの「生きる知恵」を発見し、みんなで学ぶ!
3. 自然の恵みを存分に楽しみ、自然が好きでたまらない仲間をつくる!
くう:
具体的には、スモークサーモン作り、塩作り体験、ワカメの種付け体験、ホタテの種付け体験、はまわらす米の米作り(田植え〜稲刈り)などを行なっています。
とる:
具体的には、大漁唄い込み(郷土伝統芸能)、ロープワーク、サケ刺し網体験、海藻染め、まち歩き/風景を撮る、アワビとウニの漁具講座などを行なっています。
あそぶ:
具体的には、砂の造形、シーカヤック、SUP、サーフィン、ボディボード、いかだ体験、海辺のウォークラリー、キャンプ、シーグラス工作、ツリーハウス、海のジェルキャンドル作り、沢遊び、山登りなどを行なっています。
はじめの頃はプログラム内容をきっちり決めて開催していましたが、ある日のプログラム中に子どもに「いつ遊べるの?」と問われて、「子どもはこれを遊びだと思っていなかったのか」と気付かされました。それからは、大まかな時間は決め、あとは子どもたちがやりたいと思うことを見守りながらやる、という方針に転換しました。
■ 体験ツーリズム(大人向け)
はまわらすでは、普段、地元本吉のこども達が普段体験している気仙沼の魅力を より多くの方々にも体験していただけるよう一般の方向けのプログラムも用意しており、多くの方に海の楽しさを体験いただいています。また、こちらのツアーの収益はこども達の体験活動に活用されます。
具体的には、SUP体験、おためし漁師体験、海のジェルキャンドル作り体験、海のフォトフレーム作り体験などを提供しています。
■ その他
震災語り部や復興まちづくりについて、プログラム等の企画や現地コーディネートも行なっています。
今後のマイルストーン
- 中学生、高校生へアプローチできるように、まちづくり協議会に彼らが参画してアイディアを実現していくことができるような、地域全体でサポートする環境をつくる。
- インバウンドのツアー受入れを推進するために、気仙沼観光コンベンション協会と協働する。具体的には、インバウンドツアーを受けることができる人材育成・英語教育を行うなど、ソフト面に注力する。
- 協働できる仲間を増やす3年間にしたい。
一緒に参画いただける方募集中!
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寄付
いただいた寄付金は、「あつまれ、はまわらす!」の運営・実施に活用させていただきます。皆さまの温かいご支援をお待ちしております。
アクションリーダー プロフィール
- 笠原 一城
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海のアクティビティが大好きで、震災の前年に仙台から気仙沼市へ移住。発災後は緊急救援で気仙沼入りしたNGOに入職、避難所支援、まちづくり支援、子ども支援を行ってきました。NGOの活動が終了する時に、子ども支援を引き継ぎ、気仙沼市を拠点にNPO法人格を取得。現在は海の子ども育成を行いながら、地元定置網漁に携わり、地域の歴史ある産業の保持、持続可能な地域の在り方を研究中です。
子ども達に自然豊かで、ゆっくり暮らせる地域を残して行きたいです。
団体/企業詳細
- 団体名
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- 特定非営利活動法人浜わらす
- 活動地域
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- 宮城県気仙沼市
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