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豪雪地帯・西和賀の魅力を、地域資源×デザインの力で発信する。

西和賀デザインプロジェクト「ユキノチカラ」

実行中

更新日:2020.01.19

西和賀町は、岩手県内でも一番の豪雪地帯として知られています。冬の活動を妨げる雪ですが、これは西和賀の大きな財産です。たくさんの雪が豊富な水を生み、そのおかげで美味しい食材が育ちます。

そこで始まったのが、西和賀デザインプロジェクト「ユキノチカラ」。西和賀町、町の事業者、岩手県内在住のデザイナー、北上信用金庫が連携し、デザインを活用した地域資源の魅力発掘と商品・サービスづくり、情報発信、人材育成などを進めています。

雪の力をアピールし、西和賀町全体の魅力を伝えていくことを目的としています。

キーワード

アクション詳細

目指す社会のあり方、ビジョン

岩手と秋田の県境にある西和賀町は、人口5,800人ほどの小さな町。県内一の豪雪地帯で、時には2メートルに及ぶ雪が積もります。言うまでもなく、冬の雪かきはたいへんな重労働。雪は、住民にとって厄介な存在ですが、たっぷり降りそそぐこの雪こそが、西和賀にあふれる豊かな恵みの源なのです。

たとえば、厳しい寒さが育む山や里の幸。寒ざらしそばや大根の一本漬け、雪室に守られておいしさを蓄える野菜など、どれも格別の味わいです。また、奥羽山脈から滔々と流れる雪どけ水は、お酒の仕込み水や豆腐づくりにも使われます。雪がもたらすおいしい食は、西和賀らしさの象徴といえるでしょう。

そんな雪の偉大なるめぐみを、住民自身が大切な価値として共有し、皆さんにわかりやすく伝えていこう!雪のめぐみから生まれた自慢の商品を、皆さんに届けよう!こうした想いのもと、西和賀町では、2015年からあるプロジェクトをスタートさせました。その名も「ユキノチカラプロジェクト」です。

長い冬に降りつもる雪のめぐみは、誇るべき西和賀の力。全国にPRしていく町ぐるみのプロジェクトには、町内外さまざまな人が関わっています。商品をつくる事業者を中心に、価値を高めて伝える手法を考えるデザイナーなど、チームみんなが「ユキノチカラ」を発信するアイデアを出し合っています。

そして、事業者がそれぞれの得意な技術で西和賀町ならではの商品をつくっています。たとえば、地元産のわらび粉やそば粉を使ったお菓子、おいしい牛乳を使った加工品。食べ物だけでなく、冬には「ユキノチカラ」をテーマにしたツアーも開催されるなど、商品は進化中!春夏秋冬すべてのシーズンに渡って、まちの魅力を発信していきます。

藤原朝子さんの想い

地域おこし協力隊として地元の岩手県西和賀町に戻り、3年目を迎えたタイミングでした。西和賀町では2015年9月に西和賀デザインプロジェクト「ユキノチカラ」を立ち上げていて、私はそこにサポートとして関わらせていただいていました。地方創生の補助金を使いながら日本デザイン振興会さんが主に企画を進めていたのですが、補助金には3年間という期限があり、今後プロジェクトを継続させていくための課題に取り組むために、ローカルベンチャーラボに参加しました。

ユキノチカラを担当していた日本デザイン振興会の鈴木紗栄さんとともに、「これから西和賀に地域商社を作りたい」という思いを抱いて参加。しかしメンターの畦地さんから受けた「おまんらデザイン先行型やんか」という一言から、今の取り組みを見直すことにしました。

ユキノチカラでは県内の6人のデザイナーと町内のお菓子屋さんなどの事業者が協力し合い新たな商品を開発していたのですが、売る相手のことを考えるよりもデザイン先行で商品開発が進んでいて、販売先や販売方法、商品価格の設定などはデザイン決定後に後回しにされ、結果うまくいかなくなっていた部分があったんです。次の商品開発では「まず売りたい相手のことを考えてからデザインに取り組まないといけないね」と話すようになりました。

また、地域商社の本質は「生産を本当に知り、それを活かすことにある」ということも一貫して言われ続けました。「誰が、どのように、どんな思いで作っているのか」ということを知らなくてはいけない、と。 自分たちの地域にとって、どんな食材を使うことがより地域を活かすことになるのか、ということを考えるためには、まず町のことを深く知っていくことが大事だと気づかされて、勉強不足を感じました。とにかくそうしたフィードバックがある度に、地域の生産者の方たちと関わりながら修正していきました。

そして、ここまで町の皆で育ててきたプロジェクトなのだから、これからも町として育てていこうと今後の自分たちのビジョンも明確にすることができました。これからは食品以外の産業においてもより多くの事業者さんたちに関わっていただき、「一人ひとりが自分事として地域の魅力を発掘していけるような仕組みを作っていこう」と考えています。

自分たちの想いや事業者さんたちの想いを共有しながら、今後の町を考えていけるような地道な話し合いをこれからも重ねていきたいです。そしてユキノチカラを、町のブランドとしてもっと大きくしていきたいです。

アクションリーダー プロフィール

藤原朝子

西和賀産業公社/
岩手県西和賀町出身。2015年3月に地域おこし協力隊として西和賀町にUターン。同年9月から西和賀デザインプロジェクトユキノチカラのサポートを担当、町の事業から西和賀産業公社に事業が引き継がれるタイミングで同社に就職し、現在は西和賀産業公社にてふるさと納税とユキノチカラを担当している。

団体/企業詳細

団体名
  • 西和賀デザインプロジェクト「ユキノチカラ」
活動地域
  • 岩手県西和賀町

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