「食」の未来をどう作るか

未来社会デザイン・オープンプラットフォーム(略称:CHANCE)

科学技術振興機構(JST)が賛同機関とともに推進する「未来社会デザイン・オープンプラットフォーム(略称:CHANCE)」構想の一環として、2019年3月に東京都永田町で、「2050年の食卓」と題した食の未来と科学技術の関わりを考える集会を開催しました。賛同機関とその呼びかけで集まった研究者や産業界の人々とともに、「『培養肉』は社会に受容されるか」や「テクノロジーは食の未来を明るく照らすか」を切り口にして、食の未来と科学技術について語り合いました。「培養肉」とは、牛などの細胞を組織培養して食肉を生産する技術です。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」など社会的な課題に触れつつ、食にまつわる幅広い話題提供と意見交換が行われました。
アクション詳細
目指す社会のあり方、ビジョン
将来の食糧不足、とりわけタンパク質源のひっ迫や、畜産による環境負荷の増大に貢献する技術として、牛などの細胞を組織培養して食肉を生産する「培養肉」が注目されています。
現状とビジョンのギャップ、課題の構造
世界人口の増加による将来の食糧不足に対して、国連食糧農業機関(FAO)などが警鐘を鳴らしています。
アプローチの方法
JSTが賛同機関とともに推進する「未来社会デザイン・オープンプラットフォーム(略称:CHANCE)」構想の一環として、2019年3月に東京都永田町で、「2050年の食卓」と題した食の未来と科学技術の関わりを考える集会を開催しました。賛同機関とその呼びかけで集まった研究者や産業界の人々とともに、「『培養肉』は社会に受容されるか」や「テクノロジーは食の未来を明るく照らすか」を切り口にして、食の未来と科学技術について語り合いました。国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」など社会的な課題に触れつつ、食にまつわる幅広い話題提供と意見交換が行われました。
プログラムは、まず話題提供者として研究者や企業人・4人が食にまつわる研究などについて発表し、その後、会場全体でのディスカッション形式で進められました。話題提供では、4人それぞれ異なる切り口から「培養肉」に関わるトピックを語り、幅広い内容となりました。
これまでの活動実績
話題提供は、以下のような内容となりました。
◆東京大学生産技術研究所教授 竹内昌治氏
新しい食品生産技術として注目される「培養肉」に関するご自身の研究について発表。日清食品ホールディングスとの共同研究でサイコロ状の筋組織を作ることに成功。
「培養肉は肉の代替品ではなく、肉そのもの。肉としての味・におい・食感などが備わっている『おいしい肉」を目指しています。」
◆弘前大学人文社会科学部准教授 日々野愛子氏
グループ・ダイナミックスという、集団の動きを扱う学問分野の専門家として、新しい食品やテクノロジーが社会に受け入れられていくプロセスについて発表。
「食品が社会に受け入れられるためには、安全性の裏付けや美味しさ以外に、『自然さ』や新テクノロジーが許容されるまでの『時間』も重要な要素です。」
◆立命館大学食マネジメント学部教授 阿良田麻里子氏
食の多様性という観点からハラール文化や食の禁忌について発表。
◆味の素株式会社グローバルコミュニケーション部 畝山寿之氏
将来起こるとされる世界的なタンパク質源不足や食糧問題に対して“うま味”研究がどのように貢献していくかなどについて発表。
全体ディスカッションでは、食育や食文化、先進国を中心とした「フードロス」などの社会問題まで広く意見が出され、「食」を支える科学技術のあり方から、「食」がもたらす幸福とは何かといった観点まで、さまざまなやり取りがなされました。SDGsが掲げる17の目標をはじめとした社会の諸問題を解決していくには、広い視野や多様な知見が求められます。本会は、多様な立場からディスカッションする貴重な機会となりました。
グラフィックレコーディングによる記録(抜粋)
今後のマイルストーン
各機関や業界同士のパートナーシップを広げ、議論を深めていくことが重要と考えています。
アクションリーダー プロフィール
- 未来社会デザイン・オープンプラットフォーム(略称:CHANCE)
団体/企業詳細
- 団体名
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- 未来社会デザイン・オープンプラットフォーム(略称:CHANCE)
- 連携パートナー
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- SDGパートナーズ代表 田瀬和夫氏/東京大学生産技術研究所教授 竹内昌治氏/弘前大学人文社会科学部准教授 日々野愛子氏 /立命館大学食マネジメント学部教授 阿良田麻里子氏/味の素株式会社グローバルコミュニケーション部 畝山寿之氏(所属・役職は2019年3月時点)
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