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研究者の知見を産学官で活用するためのマッチングシステム構築

同志社大学 准教授 桂井麻里衣

アイディア段階

更新日:2021.12.20

研究者と社会・企業との新しいコミュニケーション機会を創出する、産学連携 AIプラットフォーム『SciKnow Sharing』の開発・社会実装を目指します。

プラットフォームの基盤技術として研究者の専門性や成果・実績、所在地などの情報を蓄積・解析することで、相談者が入力した検索ワードや依頼内容に応じた最適な研究者をAIがレコメンドする機能を開発。併せて研究者へ気軽に質問できるQ&Aサイト、講演依頼や共同研究といった具体的な相談が可能なサイトを構築し、サービスとしての実現・展開を図ります。

このような「研究者の知見を産学官で活用するためのマッチングシステム構築」を通して、企業や一般の方と学術研究に関する知見との接点を増やしオープンサイエンスの実現にも寄与するとともに、特に若手研究者が自身の研究を社会課題解決に応用する機会を生み出すことで、キャリアパス設計支援への貢献を思い描いています。

キーワード

アクション詳細

目指す社会のあり方、ビジョン

大学と社会の代表的な接点である「産学連携」。しかし、そこには未だ敷居が高いイメージがつきまとっているのが現状です。

すなわち、接点や交流が全くない状態から、産学連携・共同研究といった具体的なコラボレーションの依頼をすることは困難であり、その「一歩手前」につながる機会を創出する必要があります。

「一歩手前」とは、例えばちょっとした質問であったり、それに対するアドバイスといったもの。そういった小さなコミュニケーションが活発化することで研究者を気軽に頼ってもらえる未来につながっていくと考えています。

特に若手研究者にとって、産学連携は自身の研究の社会実装・応用に関する知見・経験が得られる貴重な機会といえますが、成果や実績が多くないために企業や社会から見つけてもらいづらいという難点があります。

気軽な質問や相談は、若手研究者にとっても産学連携の契機になり得る「対話」のチャンスとなり、その後の研究の発展やキャリアパスの広がりにもつながっていくことを期待しています。

アプローチの方法

これらの研究・開発技術を活用して、大規模な研究者データベース・AIプラットフォームを開発し、社会実装のかたちとして、下記のようなサイトの制作を検討しています。

【1】Publicサイト(無料) 
企業や社会と研究者をライトにつなぐオープンな分野横断的なQ&Aサイト。研究者に対してちょっとした質問を気軽に投稿することができ、研究者からの回答を得ることができるものです。LIKEボタンによって相談者の興味関心がパーソナライズされ、関心に近い話題や研究者をリコメンドしてもらえる機能も搭載します。 

【2】Privateサイト(有料) 
講演依頼や共同研究の相談といった具体的なコラボレーションを創出するクローズドなサイト。AIが条件に合致した研究者をランキング形式で提示します。サイトの稼働と並行して、依頼内容とマッチングの成否に関する傾向データなどを蓄積・解析を重ねることで、依頼・課題と研究のマッチング率の向上を目指します。

これまでの活動実績

知の共有と価値増幅、次世代研究者の育成支援、地方研究拠点の活性化をビジョンに掲げ、研究者とのマッチングを促進するAI技術の開発とその社会実装に取り組んできました。

◆学術データ分析による関連研究者の検索技術を構築 (JST ACT-I研究課題)
・研究者の成果情報を学術データベースやウェブページから自動集約する技術を開発
・成果情報のテキスト分析に基づき、研究興味の特徴を抽出
・キーワードや人物が入力されたとき、それらに関連した研究を行っている人物を日本地図上で表示するシステムを構築

◆分野横断的な関連性の発見(JST ACT-X研究課題)
・引用ネットワーク分析に基づき研究コミュニティを発掘、コミュニティの学際性を推定
・異なるコミュニティ間で共通する研究トレンドを可視化

今後のマイルストーン

・プロトタイプを制作し、稼働させながらプラットフォームとしての精度を高めていきたいと考えています。
・“ライトな産学連携の機会” を提供するため、事業パートナー候補の方と意見交換を重ねます。
・研究者や関わる人がインセンティブを得られるように、収益性など事業としての価値を見いだしていきます。

必要なリソースや提案したいこと

この取り組みにおけるウェブプラットフォームの開発や、実運用および持続化計画の策定にご興味のある方は、ご連絡ください。

アクションリーダー プロフィール

桂井麻里衣

同志社大学 准教授

団体/企業詳細

団体名
  • 同志社大学 准教授 桂井麻里衣
連携パートナー
  • 海士町ないものはないセンター 浅井峰光、株式会社リバネス 石澤敏洋、株式会社リバネス 井上麻衣、株式会社NCネットワーク 金澤亜希子、OKWAVE創業者 兼元謙任、epiST株式会社 上村崇、NPO法人ETIC. 杉浦元、日本科学未来館SC 伊達雄亮、海士町ないものはないセンター 田畑陽、株式会社A-Co-Labo 早船真広、株式会社知識創発研究所 松崎光弘、株式会社オンデザインパートナーズ/日本科学未来館元SC 谷明洋

応援メッセージ

  • 同じ課題感を持つ者として応援しております!

    2022.04.03

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